記事公開日:2016年4月13日
最終更新日:2018年4月4日

どう生きる?

コラム:中卒・無職・引きこもり・登校拒否などは「N高校」に行けばいいんじゃないの?

2016年4月より角川ドワンゴが開校した、インターネット時代の通信型高校「N高校」。
「普通の高校生になってどうするの!?」のキャッチコピーに、胡散臭さが満載でしたが、よくよく調べてみると、このN高校意外といいシステムなのではないでしょうか。
特に、中卒・無職・引きこもり・登校拒否などの方にとっては。

中卒・無職・引きこもり・登校拒否などにはうれしいN高校とは?

N高校とは、角川ドワンゴグループが2016年4月より開校した高等学校。
角川ドワンゴグループ(「ニコニコ」)のもつエンターテイメント性や情報技術をフルに活用した新世代の高等学校となります。

N高校 公式サイト
http://nnn.ed.jp/index.html

 

↓1分で分かるN高校動画

 

N高校の主な特徴としては、以下のとおり。

 

・N高等学校は学校教育法第1条に定められた高等学校。
・理事長であり、株式会社ドワンゴ代表取締役会長である川上 量生氏によると、角川ドワンゴが持つノウハウを活かし、不登校や社会に居場所をなくした方などがネット時代に羽ばたいていく期待も込めてこの学校を作ったとのこと。
・インターネットを活用した新世代の高校。通信型高校の部類に入り、自宅でインターネットを通じて授業が受けれる。レポートや試験も全てインターネット上で行い登校はほぼ不要。
・「ニコニコ動画」のコメント機能のようなシステムを使い、通信でありながら”対話型”の授業が可能。
・理事長が株式会社スタジオジブリ 代表取締役の鈴木敏夫氏、講師には「ソードアートオンライン」の川原 礫氏などメディア業界の著名人、バックアップにはメディア系専門学校の大手「バンタン」が付くなど、メディア・クリエイティブ系に強い教育環境。
・本校は沖縄県うるま市に所在するが、基本は登校不要。
・N高専用のSNSツール・メールアドレスが配布され、学生同士のコミュニケーションをサポートする。
・学校行事の”遠足”はオンラインゲーム「ドラゴンクエスト10」上で実施。
・ネットゲーム上の囲碁将棋部、ネットゲーム上のサッカー部など、ネットを活用した部活動を用意。
・文化祭は、「ニコニコ超会議」上で行われる。
・ニコニコ本社、沖縄校舎、その他全国各地に交流施設を用意し、”リアル”でのコミュニケーションもサポート。
・アニメチックな校歌や制服。
・格安の学費。1単位5,000円程度で、国の就学支援金も利用すれば年間あたり約10万円~20万円程度の学費で済む。
・入学は中学卒業していれば基本は年齢問わず誰でも可能。初年度となる2016年は、15歳~86歳まで幅広い層の方が入学。初年度の入学者数は、総計1482人ほど。
・N高校内に設置された個別指導塾「N塾」では、東大合格までサポート。塾長は。「ビリギャル」で知られる坪田信貴氏。

 

初年度の入学者には、ロックバンド『RIZE』のメンバーである「KenKen」、現役アイドルの「奥村野乃花」、ドローン少年として話題となったニコニコ生主「ノエル」など様々な面子が。
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N高校の校歌「代数Nの方程式」。作詞は「シュタインズゲート」でお馴染みの志倉千代丸。作曲は、「サクラ大戦」でお馴染みの田中公平。

VRモニターを使った、一風変わったN高校の入学式風景。
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出典:http://japan.cnet.com/news/service/35080772/

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賛否両論のN高校

ネットなどでは、「時代にあった合理的なシステム」、「需要は確実にあり、社会的な受け皿ともなる意義のある高校」、「もう少し早くできていれば自分も入りたかった」といった肯定的な意見がある反面、
「不審感が否めない」、「大切な学生時代は”普通”に過ごさせるべき」、「在学中は楽しそうだが将来はどうするのか」、「これまでの通信制高校となんら変わらない」といった否定的な意見も多く挙げられています。

現役の入学はよく考えた方がいい?

さて、このN高校。
一見、面白く画期的な高校に見えますが、キャリア的に考えてメリットとなるのは「メディアやエンターテイメントも科目として学べる」といった部分のみかと思います。
自宅でインターネットを使った学習スタイルは、N高校以外の通信制高校でも採用しており真新しいものではありません。ネットゲームやニコニコ超会議を使った催しも面白味はあるものの、あくまでレクレーションの範囲であり、キャリア的なメリットにはなりません。

このため、ウリとなっている”普通の高校生じゃない”部分というのは、メディアやエンターテイメントも科目として学べる事くらいでしょう。そして、公開資料を見る限り、学べるのはプログラミングの基礎やライトノベルの基礎、メディア業界のノウハウなどあくまで基礎的な内容に捉えられます。

「普通の高校生になってどうなるの?」のキャッチフレーズに釣られ、普通制を捨て通信制に入り、こういった基礎的な内容を学ぶのは、現役の方にはやや勿体ないように感じます。

早くから学んだ方が良いといった観方もできますが、現役の方であれば高校卒業後、専門学校に言ってこれらの内容を学んでも十分遅くはないかと思います。また普通高校であれば、途中で気が変わっても色々リカバリが効くでしょうが、やはりN高の場合、良くも悪くも視野や選択肢を狭めてしまう気がします。現役の方は良く考えた方がいい気がしますね。

また、「普通じゃない集団に身を置き、感性を磨きたい」といった方もいるかもしれませんが、通信制ですので、周囲の影響される事も少ないのではないでしょうか。それに、そもそもの話となりますが、受身のスタイルでは”普通じゃない”を目指すことは難しいかと。

 

中卒・無職・引きこもり・登校拒否な方にはいいのでは?

一方で、中卒・無職・引きこもり・登校拒否などの状況にある方には、このN高は最適な学校なんじゃないでしょうかね。

そういった状況の方でも、目指すものがある場合はそれに合った学校や就職先に進むのが良いかと思いますが、特に目指すものもやる事もない方の場合は、N高校は良い受け皿になるのではないかと。

やはり学歴はあるに越した事はありませんし、学費も安いです。校風や勉強システム的にも入り易い環境かと思います。今少し道を逸れてしい思い悩んでいる方には、前進するいい手段なのではないでしょうか。

 

N高のリスク

N高校の一番のリスクや注意点は、ネットのコミュニケーションでしょう。
リアルなコミュニケーションも提供するとは言っていますが、仕組みを見る限りでやはりネットのコミュニケーションが主体となる学生生活となるかと思います。

そして、ネット上ではどうしても現実とは少々かけ離れたコミュニケーションになりがちです。相手を尊重できなかったり、現実ではありえないような誹謗中傷が行き交う事もあるでしょう。それが同じ学校の生徒であったとしても。

そんなネットの世界に常々身を置くこととなる事、また現実とネットの区別が付き難くなる事がN高校の学生生活に潜んでいる大きな課題ではないでしょうか。
N高校に入学する方は、ある程度ネットの使い方をわきまえている方が多いかとは思いますが、それでもやはり注意かと。ネットは密接になればなるほど色々と麻痺してきます。

 

まとめ

少し否定的な意見となっていましましたが、こういった私の意見も、後数年後には古過ぎる考え方となるかもしれませんね。(今もかもしれませんが)
今後、このN高がどういった影響を与えていくのか、どういった存在になっていくのか期待です。

 

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