今振り返る、『シンゴジラ』とはどんな映画だったのか?徹底作品紹介 ※ネタバレは無し
ゴジラ

今振り返る、『シンゴジラ』とはどんな映画だったのか?徹底作品紹介 ※ネタバレは無し

昨年2016年夏に公開され、一大ブームを巻き起こした『シンゴジラ』。
怪獣映画としては異例となる日本アカデミー賞7冠も達成し、社会的にも認められた名作となりました。

当ブログサイトでは、ゴジラを心から愛する私が本作を徹底的に特集し、あらゆる側面からシンゴジラを考えてきました。

そして、公開から1年経ったシンゴジラ。
何度も観返している方もいれば、実はまだ手が伸びない方もいるかと思います。

そこで今ここで改めて、この作品の本質的な魅力を紹介・評価していきます。


※まだ観てない方にも向け、本筋のネタバレはなしで書いていきます。

 

1.作品紹介、『シンゴジラ』とは?

 

まず、シンゴジラの作品概要について。

シンゴジラとは?

『シン・ゴジラ』は、2016年7月に公開された日本映画。制作・配給は東宝。
監督は『エヴァンゲリオン』シリーズの庵野秀明。特技監督には、『平成ガメラ』や『進撃の巨人』を手掛けた樋口真嗣。

日本が誇る怪獣ゴジラをテーマにした作品であり、ゴジラシリーズとしては第29作目にあたる。キャッチコピーは「現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)」。

これまでのシリーズと切り離した全く新たなゴジラとなっており、リアリティや社会的なテーマも交え、本格的なゴジラの恐怖が描かれる。『第40回日本アカデミー賞』では、最優秀作品賞を含めた7冠を受賞。

あらすじ

突如、東京湾沿岸で謎の水蒸気爆発が起こる。

東京湾アクアラインは崩落しパニック状態に。一般人の撮影した映像から生物らしき影が確認され、政府は慌てふためく。各省大臣を集め”会議”を進めるが、進展はせず。そんな中、未知の生物は陸上に上がり、品川・大田区周辺に被害をもたらす。

対策の進まない政府と、未知なる力を持った巨大生物ゴジラ。ゴジラによる災害とそれに翻弄される人間の戦いを、かつてないリアリティと恐怖で描かれていく。

 

2.ジャンルは、怪獣映画というより災害・パニック映画

これまでのゴジラシリーズは、人や街を襲い災害をもたらす描写もありましたが、それ以上に怪獣VS怪獣にスポットが当てられていました。

一方で本作シンゴジラは、災害の方にスポットを当てた作品。傾向としては1954年公開の『初代ゴジラ』に近く、ゴジラが齎す災害や脅威の方に比重が当てられています。

また本作ではこれまでのゴジラシリーズと世界を切り離しており、ゴジラが初めて人間の前に現れた設定となっています。(東宝が過去に描いた呉爾羅(ゴジラ)伝説は一部引き継いでいますが)ゴジラが主役というよりは、未知なる生物に翻弄される人間たちにスポットを当てており、ジャンル的には災害・パニック映画に近いかと。

カメラワークも人間視点が多く、舞台も都心部だけでなく川崎や武蔵小杉など身近な住宅街も多いため、一般市民から見たゴジラ災害の生々しい恐怖が体感できる作品となっています。

まさにゴジラ本来の怖さが、惜しみなく描かれた映画です。そのおぞましい破壊劇は恐ろしくもあり、それを通り越して美しさすら感じられます。そんな作品。

 

私たちの日常に、未知が入り込んでくる。

画像:東宝 公式予告編より

 

3.科学・軍事・政治・社会・国際などあらゆる観点が混在し、リアリティを追及

これまでのゴジラは、「なぜあれほどの力を持っているのか?」の部分がないがしろにされていましたが、今作シンゴジラでは科学・生物学・物理学のあらゆる側面からゴジラの生態が入念に設定されています。「核炉心」や「ゴジラ細胞」の部分は専門家が観ても興味が沸く内容かと。(詳しい方が観ると、突っつきたくなる部分もあるかと思いますが)。

軍事についてもかつてのように架空の兵器は登場しません。(MOP2のように一部アレンジしたものはあります)。現実にある兵器で、現実に近い軍事シミュレーションのもと、ゴジラと人との戦いが描かれています。

また、会議ばかりで一行に進まない政府、”あの国”に縛られ思うように動けない国家など、今の日本の社会・政治・国際的な事情も交えており、こちらもこれまでのゴジラにはなかったリアリティを生んでいます。

会議はするが、一行に対策ができない政府官僚たち。

画像:東宝 公式予告編より

 

4.根底にあるテーマ、考えさせられるゴジラ映画

ネタバレになるので書きませんが、シンゴジラでは一つ大きなテーマが根底に隠れています。

雑誌やネットの評価や感想レビューを見ていると、「福島原発」や「東日本大震災」などを絡めた見解が多いですが、それだけではないハズです。今作の根本テーマは考えれば考えるほど深く、おそらく人それぞれで違う答え、解釈になってくるかと。それを考える上でも、後述する散りばめらた謎のピースを全て明かさなければ行き着きません。何度も観ることで違った発見があるスルメ映画。下手な社会派映画より見ごたえがあるかと。

それでいてドラマパートの描写は、かつての『日本の一番長い日』を彷彿させるように機械的に進んでいきます。観客に押し付けるようなくどい描写や演出はないため、それが逆に問いかけられ、おのずと自分自身で考えさせられる作品。

 

圧倒的な力を誇るシンゴジラ。福島原発や震災のメタファーとも示唆されるが、今回この怪獣に込められた意味やテーマは、それだけではないはず。

画像:東宝 公式予告編より

 

5.最新技術で作られたフルCGのゴジラ

本作シンゴジラは一見着ぐるみのように見えますが、実はフルCG(コンピューターグラフィック)で作られています。ゴジラ本体はもちろん、自衛隊の兵器、建物なども一部CGが使われています。数々の大作映画を手掛ける日本の映像会社『白組』によるもの。

「日本のCGもここまできたか」と驚かせる仕上がりであり、特に終盤の都心のシーンは一見の価値アリです。

着ぐるみゴジラの時代が終わったのはゴジラ好きとしては少々悲しくもありますが、今後のゴジラや日本映画に期待できる素晴らしいCG技術でした。

 

シンゴジラはもちろんヘリや建物などにも一部CGが用いられている。

画像:東宝 公式予告編より

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6.張り巡らされた謎と、考察する楽しみ

ここもネタバレになるのであまり触れませんが、尻尾・折り鶴・春と修羅・牧教授など、今作ではかなりの謎と伏線が用意されています。

感情論や思想的な意味も含まれており、おそらく1度や2度観ただけでは、何がどうであるかの謎は解けないかと。

当サイトではこの部分を徹底的に考察してきました。本当に一日中これを考えていたほど。しかし今も決定的な答えは出せません。やはり本作のテーマも含めて答えは無数にあり解釈は人それぞれなのかと。例のフレーズのように。

 

そんな考察する楽しみにも溢れたゴジラ映画です。観れば観るほど深みに嵌る作品。おそらく考察系が好きな人にはたまらない映画かと。

一瞬だけ登場する、折り鶴と宮沢賢治著書の『春と修羅』。ゴジラ以外の観点からも考察しなければ、込められた意味にはたどり着けない。

↓こちらは当サイトの考察記事の一つ(これはもろにネタバレ含みます)
「シンゴジラ」の牧教授の正体と目的は?折鶴・春と修羅・ラストの尻尾の謎を考察

 

7.本当にシンゴジラは面白かったのか? 本作の感想評価

※この章は、多少ですがネタバレが入ります。(本筋ではなくゴジラの描き方についてのネタバレが多少入ります)

最後に、ゴジラを愛し続けてきた私の自身の、感想評価を書かせてください。

本作『シン・ゴジラ』はネットや雑誌で大絶賛されています。大ヒット作ながら批判やアンチ意見はあまり見かけません。

私自身もこの作品は大好きで、素晴らしいと思います。子供の頃からゴジラは好きだったのですが、子供騙しの所が多かったんですよね。子供目線でみても。もっと恐ろしくリアルで本気のゴジラが観たいと。初代ゴジラのように、恐怖や破壊の塊であるゴジラが観たいと。

今作シンゴジラはまさにそれを徹底した作品であり、私が本当に求めていたゴジラでありました。初めて観た時には、感動と震えがでましたね。

ただし、全てがパーフェクトな作品ではなったかと。

本作はリアリティや社会派な面が絶賛され高評価されていますが、それ以前にこれはゴジラ映画です。「ゴジラシリーズ」の一部であり、ゴジラのブランドを利用し、ゴジラありきで作られた作品です。全くオリジナルの新しい映画ではありません。

しかし本作でのゴジラは、全編を通して駆除される”害獣”のような扱いを受けています。もちろん過去シリーズでもゴジラは人類の敵であり駆除されるのですが、それでもゴジラと人の間には”宿命”のようなものがありました。

人が犯した核の過ちによって生み出されたゴジラ。

人は自らの過ちへの償いの意味も踏んでゴジラに牙を向けていた訳です。ゴジラは人が作り出した悪夢で神のようなもの。だから街を壊されても仕方ない、なんとしても自分たちで止めるんだと。

しかし本作でのゴジラはただの害獣のような扱いであり、ゴジラと人との宿命のようなものは薄れていました。ゴジラ自身のキャラクターもどこか生物的な面が強調され、神々しさが無くなっていた気がします。『シン・ゴジラ』と題していますが、過去作のゴジラの方が”シン”に近かったのではないかと。

その点が少々残念でした。これを言うと「それはゴジラ好きやゴジラマニアの戯言でしょう」と言われそうですが、やはりこれはゴジラ映画です。完全新作のオリジナルであれば最高の映画かと思いますが、ゴジラ映画として観ると少々違和感が残った部分もありました。

とはいえ、それは重箱の隅を突っつくような話。全体的には、とても素晴らしい映画だったかと。まさに待ち望んだこれまでにない本格的なゴジラ映画でした。
特にゴジラを知らない層ほど、感銘を受ける映画なのかなと思います。

 

核を背景としたゴジラとしてのキャラクターは薄れたが、全体的には素晴らしい映画。

画像は『ゴジラVSデストロイア』より

↓この辺の話は、以下の記事で以前詳しく書かせて頂きました。
批判感想:『シン・ゴジラ』でつまらない所を、震えながら批判 ~ゴジラかわいそう~

まとめ

以上、映画『シン・ゴジラ』の作品紹介となります。

この作品は、本当に様々なモノが詰め込まれたゴジラ映画です。子供向けではなくなってしまいましたが、往年のゴジラファンはもちろんゴジラを全く知らない層でも十分以上に見ごたえがある作品になっているかと思います。これからの東宝の代表作や名作として扱われるレベルの作品かと。

まだ観てない方はぜひこの機会に観てみてはいかがでしょうか。この映画を通して、邦画ファン、シンゴジラファン、そしてゴジラファンが増えることを心から願います。

最後にタレントの磯野貴理子さんのシン・ゴジラ感想動画を貼っておきます。グタグタ書きましたが、まさにこんな映画です。初めて観る方はこうなるかと。

関連記事:
『シンゴジラ』は何故ヒットしたのか、人気で高評価される理由を考察

 

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