記事公開日:2018年4月22日
最終更新日:2020年5月2日

ゲーム

拡張現実SF『ロボティクスノーツ』って一体どんなゲームだったの?(特徴・内容・評価・レビュー)

 

科学アドベンチャーシリーズの第三弾として、2012年にPS3/Xbox 360向けに発売されたアドベンチャーゲーム『ロボティクスノーツ』。

知名度としては『シュタインズゲート』の影に隠れやすい作品ですが、なかなかにストーリーが傑作のゲームです。

とはいえ、この手のジャンルのゲームには抵抗を感じる方も多いかと。
そこで本記事では、未プレイの方に向け『ロボティクスノーツ』の全体的な特徴や魅力について一通り解説していきます。

 

※本編の直接的なネタバレは無しです。

 

1.拡張科学アドベンチャー『ロボティクスノーツ』とは

タイトル:ロボティクス・ノーツ/ROBOTICS;NOTES
製作/販売:MAGES. (5pb.)
発売:2012年6月28日
対象機器:PS3/Xbox 360
移植:PS Vita版『ロボティクスノーツ エリート』(2014年)
ジャンル:アドベンチャー

 

『カオスヘッド』、『シュタインズゲート』に続く、科学アドベンチャーシリーズの第三弾。AR(拡張現実)+ロボット+青春ドラマを題材にしつつ、
5pb.ならではの予想もつかないストーリーが展開する。なお、前作未プレイであっても問題なく楽しめる。(詳細は後述。)

 

あらすじ
2019年の鹿児島県 種子島。世界線変動率「1.048596」。
AR(拡張現実)とロボットが日常的に普及した社会。

中央種子島高校に通う高校生「八汐 海翔」は、幼なじみで同じロボ部の部長である「瀬乃宮 あき穂」からロボット制作活動の協力を求められるも、スマホの格闘ゲームに夢中。トップランカーを目指す日々を続けていた。

公園で一人ゲームをしていた海翔。ある夜、突如自身のスマホ画面内にARプログラムの少女「愛理」が写り込む。その背後で起こる「あねもね号集団失神事件」、「太陽フレアによる異常気象」、「東京での介護用ロボットの暴走」。

次第に、拡張現実が思わぬ方向に繋がっていく。

 

 

プロモーションムービー(ただし若干このPVはフェイクです。詳しくは後述)

 

2.で、どんなゲームなの?

本作は、前作『シュタインズゲート』のように、タイムトラベルの要素はありません。

ベースは高校生たちの青春群像劇ですが、それにAR/ロボット/科学技術/サブカル/コメディ/ミステリー/陰謀論/オカルトなど様々な要素が入り混じっており、エンターテイメント性の強い作品となっています。

作風のジャンルは、小さな物事がいずれ世界全体に関わっていく「世界系」と呼ばれるタイプ。

ただしスケールだけ大きい中二病的なヒーローストーリーではなく、科学アドベンチャーシリーズならではの一筋縄にはいかない奥深いストーリーが展開していきます。拡張現実、人口知能・AIといった今注目される技術もふんだんに盛り込まれているのも興味深いところ。

 

拡張現実(AR)とは?

拡張現実(AR=Augmented Reality)とは、実在する景色に仮想の情報を組み合わせる技術のこと。現実を拡張させる技術のこと。スマホアプリ等で徐々に取り入れられ始めている。『ポケモンGO』などがその代表的な例。

対義語として、仮想現実(VR=Virtual Reality)がある。仮想現実は、実在する景色を消し非現実の世界を体感する技術。『プレイステーションVR』のようなヘッドマウントディスプレイが代表的な例。

 

3.パッケージは詐欺だけれど、詐欺ではない


©http://roboticsnotes.jp/

『ロボティクス・ノーツ』の製品パッケージ絵や挿絵は、ブルーを基調としたいかにも爽やかな青春ドラマを彷彿させるデザイン。
また背後にガンダムにも似たややチープな巨大ロボット、そして題名の”ロボティクスノーツ”から、ロボットアニメのようなキャラゲーをイメージする方も多いかと。

ただ、これらはほぼフェイクで詐欺です。(いい意味で)
科学アドベンチャーシリーズ」を名乗る通り、ダークでミステリーな要素も詰め込みつつ予想もつかない方向にぶっ飛んでいきます。安心安全のぶっ飛び具合。話の構成も作り込まれており、”中身”で楽しめる作品です。

また、パッケージ詐欺でもあって詐欺でもないというのが本作の特徴。
(お前は何を言ってるんだと言われそうですが、そんな作品なのです。)

 

ネタバレになるので詳しくは書けませんが、ただ奇抜な方向にふっ飛ばしていくだけでなく、最後は戻しつつ、パッケージ絵やタイトルを回収しにいくんですね。

2転したあとに3転目があり、その描き方がとても爽やかで熱く、これは最後まで観てよかったと思えるストーリー運びです。暗さと明るさが混じっている感じです。これが『シュタインズゲート』との大きな違い。「これは本当にあのシュタインズゲートと同じ作者が書いたものなのか?」とゴーストライターを疑うほどの内容・描写も詰め込まれたゲームでした。

説明し難いのですが、とにかく色々と裏切ってくる作品です。いい意味で。シュタインズゲートのような癖もあり、かつ王道の娯楽性やエンターテイメント性も合わせ持ったような作品。個人的にはこちらの方が好きです。

 

こういった「オタクっぽいゲームは無理」と思った方にこそ、プレイしてもらいたい不意を突く良作です。

 

 

4.ゲームシステムについて

本作はアドベンチャーゲームとなります。

【システムの具体的な特徴】
・基本的には一般的なアドベンチャーゲームのシステム。セリフを読み、選択肢を選び、物語を進めていく。
・スマートフォンに似た「ポケコン」を用い、地図散策やゲーム内でのSNS交流等を行う独自UIが用意されている。(操作は難しくはなく、すぐに慣れる。)
・背景絵は2D、キャラは簡易3D。
・セリフはフルボイス。
・1~12章までのパートに分かれる。
・マルチエンディング。
・「トゥルーエンド」に行き着くためのフラグ立ての難易度が高め。
・クリアまでのプレイ時間は、概ね30時間~40時間のボリューム。

 

アドベンチャーゲーム初心者の方でも、比較的入り易い作りとなっています。
ただしトゥルーエンドに行き着くための分岐選択とフラグ立てがやたらと難易度高め。自力では辿りつくのが困難なレベルであり、攻略サイトを利用することになるかと。

 

キャラクターは3Dで描かれ、ヌルヌルと動く。
©http://roboticsnotes.jp

システム操作は、スマートフォンに似た「ポケコン」をモチーフにした独自UIとなっているが、直ぐに慣れる。
©http://roboticsnotes.jp/

 

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5.前作『シュタインズゲート』との繋がりや関連性

本作『ロボティクスノーツ』は、前作『シュタインズゲート』と同じ世界(世界線)での話となり、時系列の延長線上にあります。

シュタインズゲートのトゥルーエンドとなる世界線変動率「1.048596」の世界における9年後が本作の舞台です。

また「天王寺 綯」や「300人委員会」など、シュタインズゲート側のキャラクターや設定も一部登場します。ただし、ストーリー本編に大々的に関わってくるわけではなく、前作未プレイであっても問題なく楽しめる作りとなっています。

もちろんシュタインズゲートをプレイしていれば、深い考察なども楽しめ、より魅力が倍増します。

 

シュタインズゲートとは?

『シュタインズゲート』は、科学アドベンチャーシリーズ第2弾にあたる作品。Xbox 360向けアドベンチャーゲームとして2009年に発売。その後PS3やPC、スマホなど様々なハードに移植。

タイムマシンを発明してしまった若者たちの行方を、背後に絡む陰謀とともに描く。その先の読めない展開や作り込まれたストーリーが注目され話題となった。のちにアニメ化もされ、文化庁メディア芸術祭にてアニメーション部門審査委員会推薦作品の一つに選ばれる。

 

 

※こちらはシュタインズゲートのその後を描くスピンオフ新作です。↓

 

6.ゲーム版とアニメ版の違い

※アニメ版のPVです↓。

『ロボティクスノーツ』はアニメや漫画へのメディアミックスが行われた作品。アニメ版は2012年にフジテレビ系列で放送されました。全22話。

ストーリーや出演キャラは両方とも同じです。ただしアニメ版は本筋は変わらないものの細かなエピソードがかなり省かれており、良くも悪くもあっさりしています。

両方観た上で言いますと、ストーリーを本気で楽しむなら原作となるゲーム版の方がやはりおすすめです。

声優については、どちらも同じ。キャラの作画デザインが若干ゲームとアニメで差があります。

【声優キャスト】
八汐 海翔・・・木村良平
瀬乃宮 あき穂・・・南條愛乃
日高 昴・・・細谷佳正
神代 フラウ・・・名塚佳織
大徳 淳和・・・徳井青空
愛理・・・釘宮理恵

 

 

7.PS3/Xbox360版とPSVita版の違い

2014年にPSVita用ソフト『ロボティクスノーツ エリート』として移植されています。

PS3/Xbox360版とPSVita版の違いは次の通り。
①新規アニメシーンの追加。
②地図・マップムービーの追加。より位置や世界観を把握し易く。
③ストーリーをより分かりやすく補足、調整(ストーリーの本筋はそのまま)
④キャラクターの3Dモデリングを改良。表情も豊かになりより魅力的に。
⑤オリジナルシステムである「ポケコン」を、PSVitaならではのタッチパネル操作に。

 

PSVitaを持っている方であれば、様々な改良が施されたPSVita版がお得かと。

 

 

7.正統続編『ロボティクスノーツ;ダッシュ(ROBOTICS;NOTES DaSH)』の制作が決定

ロボティクスノーツの正式な続編となる『ロボティクスノーツ;ダッシュ(ROBOTICS;NOTES DaSH)』の制作が決定しています。

発売日や対象ハードなどの情報は現在未定ですが、2018年内に発売の可能性が高いとのこと。

「東京ゲームショウ2017」で先行公開されたPVでは、八汐 海翔・瀬乃宮 あき穂が登場しており、この2人は引き続き続投の模様。
また「未来ガジェット」のワードや、ダル(橋田至)のシルエットが映しだされてもおり、『シュタインズゲート』とより関係性の深い作品になるような印象も受けます。

 

『ロボティクスノーツ;ダッシュ』先行PV

 

※追記

ロボティクスノーツ;ダッシュの最新情報はこちらの記事で別途まとめました。

正統続編『ロボティクスノーツ:DaSH(ダッシュ)』作品紹介、シュタゲのもう一つの未来を描く

 

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まとめ.ジブリ的でもあり癖もある、お腹いっぱいのストーリー

最後にこのゲームをまとめると、「ジブリ」や「少年ジャンプ」のような皆が素直に楽しめる娯楽性もあり、かつマニアックな癖もある、枠の広い作品です。

パッケージや題名で損してる感もありますが、最後までプレイすればきっと「これはいい話だ」と思える作品かと。

気になった方は、どこかで一度プレイしてみてはいかがでしょう。おそらくお腹一杯になるストーリーが楽しめるかと思います。

 

 

ロボティクスノーツは特にこんな人におすすめ!
・ストーリー重視のゲームを探している方
・様々な要素が入り混じった話を楽しみたい方
・2転3転するドラマが観たい方
・青春ドラマのキラキラ感を求めつつ、それだけでは足りない方
・科学アドベンチャーシリーズが好きな方
・アドベンチャーゲームが好きな方
など

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