記事公開日:2019年6月6日
最終更新日:2019年6月14日

ゴジラ

【ネタバレなし】ただのゴジラ映画だった、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』感想・評価・レビュー

※本編ストーリーのネタバレは含みません。ただし、作風や演出の内容は一部含みます。


米レジェンダリー・ピクチャーズが制作するモンスターバースシリーズ第三弾『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』。

前作『ゴジラ 2014』と打って変わり、かなりに開きなおったゴジラ映画に。

ゴジラ好きの私が、今作の感想・評価・レビューを書かせて頂きます。

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』作品概要

タイトル:ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
監督:マイケル・ドハティ
脚本:マックス・ボレンスタイン
出演:
カイル・チャンドラー
ヴェラ・ファーミガ
ミリー・ボビー・ブラウン
渡辺謙
チャン・ツィイー
公開:2019年6月

前作『ゴジラ 2014』 から5年後が舞台。
ゴジラ、ムトー以外にも多数の巨大生物(怪獣)が発見される。
怪獣の存在が明るみに。
問題を解決できない秘密機関「モナーク」は、責任を問われる。
圧倒的な力を持つゴジラも、大人しくはしているものの野放しのまま。
そんな中、南極で氷漬けになった怪獣「モンスターゼロ」が目覚める。
モンスターゼロは、竜のような姿であり、3つの頭を持っていた。

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』はゴジラ映画だった :感想評価レビュー

率直な感想として、ただのゴジラ映画でした。
私のようなゴジラファンが求めていることを、とことんやりきってくれた映画でした。

しかもこれは東宝映画ではなくて、米 レジェンダリー・ピクチャーズ の映画。ターゲットは全世界。制作費も莫大に掛かってるでしょう。それでこんなことをやるんですから、多分制作陣おバカ。あとゴジラマニア。そんな作品でした。


今作の前段として、2014年に公開された『ゴジラ 2014』(原題: Godzilla)があります。これも面白かったのですが、こちらはまだ大人し目というか、ちょっと八方美人でいい子ぶった映画に感じました。

人間ドラマも多かったですし、怪獣が出るシーンもあまり多くない。伊福部音楽も使いませんでしたし、ゴジラの放射能熱線エフェクトもラスト終盤の数シーンだけ。

何と言いますかゴジラを知らない人でも、娯楽映画として見れるように保険を掛けていた感が。あと「自分たちのオリジナリティあるゴジラを作るんだ!」的な印象も受けました。

で、今回の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』。これはですね、 『ゴジラ 2014』 とはうってかわって、もう開き直った感じ。

ネタバレになっちゃうので、詳しくは書きませんが、まあゴジラ映画です。初っ端から熱線や光線もでますし、過去の東宝ゴジラのオーマジュもてんこ盛り。ご都合展開やポンポンと話が進んでいくところもありますが、それもまたゴジラ映画というもの。

もうやりたいようにやってる映画でした。「アメリカの技術と金で作ったぼくたちがかんがえたさいきょうの東宝ゴジラ」的な。

前作の『ゴジラ 2014』 は実績作り・地盤作りのため八方美人に仕立ててジャブをうち、こっちで本性を出してきた感がありますね。たぶん作ってる人たちは、東宝ゴジラが好きで、本当は東宝ゴジラが作りたかった人達なんでしょう。特にVSシリーズのオマージュが多く感じたので、VSシリーズファンなのかな。

子供の頃に、「怪獣が自分めがけて追ってきたら超怖い」、「ゴジラやキングギドラの争いの中にいたらどうなるんだ」、「ゴジラVSメカゴジラのあのシーンを俺ならこうする!」、そんな感じの妄想をたぶん皆さんもしたかと思います。

そういうのをアメ公の技術と金を使って本気で形にした、ゴジラが好きでたまらなくちょっとおバカな人達が作った映画ですね。今作は。

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ゴジラ映画が好きな人のための映画、でもそれでいいんじゃないかな


今回の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』 は、ゴジラが好きな人の向けの映画ですね。それ前提の作品。

たぶん、今作はあまり高評価はされないんじゃないかと思います。社会派映画や深いテーマのある映画を崇拝する高尚な方々は、おそらくこの映画に良い評価は付けないでしょう。また、『シン・ゴジラ』で入ってきた新規ゴジラファンは少し幻滅するかも。

ただね、私はゴジラ映画はこれでいいと思うんです。

ゴジラは、反原爆、反戦争など社会的なテーマをも持ったキャラクターでもあります。また初代『ゴジラ』が至高とされ、初代ゴジラを踏襲した映画こそゴジラ映画だといった風潮もあります。だからこそ『シン・ゴジラ』はあそこまでヒットできたのでしょう。私も、もちろんゴジラのそういった側面も好きです。

ただそれ以上に、ゴジラはやはり暴れてなんぼではないかと。

ビルをも超える巨体で、圧倒的な力をもつ生物。おまけに人知を超えた熱線や光線まで吐き出し、彼らが戦えばもう火の海。人間はただ見てるだけ。人間ドラマなどおまけ程度で、ただただ彼らが暴れまわって、好きなように戦うだけ。

それがゴジラ映画の最もの魅力であり、ゴジラだからゆるされる唯一無二の世界感だと思っています。

今回の 『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』 は、その部分を徹底した映画だったと思います。ゴジラが好きなアメリカ人が、全世界のゴジラ好きのために作った映画といいますか。

それでいいんじゃないかと。

前作『ゴジラ2014』Amazon視聴ページ

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の不満点

絶賛する感想になってしまいましたが、もちろん不満な部分もありました。

ネタバレにならない程度に箇条書きで列挙します。

・とある主要キャラクターがヒステリック、メンヘラすぎて付いていけない
・今作もやはり画面の明度がやや暗く、一部見にくいシーンがあった(ただ『ゴジラ2014』ほどではない)
・ご都合展開が少々多め
・カメラを引いたシーンがもう少しほしい、ウリである怪獣たちの大きさが把握できないシーンがある
・あのBGMのタイミングをもう少しずらして欲しかった
など

まとめ:アメリカが本気で作った東宝ゴジラ

「アメリカがゴジラを作る!」と期待して観に行ったら、魚を食べるイグアナが出てきて呆然としてから、早いものでもう20年。あれはあれで面白かったですしディスるわけではなりませんが、それでも「アメリカ人はやっぱちょっと感性が違うのかな?」と疑問を持たずにはいられませんでした。

そんなアメリカが、20年後、こんなドストレートなゴジラ映画を作ってくるとは夢にも思いませんでした。

ゴジラ映画が好きな方には、たぶん面白いと思います。この映画は。















関連記事:

「ゴジラ」とは何なのか、なぜ人はこの怪獣に惹かれるのか

前作『ゴジラ2014』Amazon視聴ページ

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