2015年12月から公開が始まっている人気英国スパイ映画007シリーズの新作「007　スペクター」。この映画作品の感想・レビューを書いていきます。

題名：007　スペクター
製作：2015年英　コロンビア映画
監督：サム・メンデス
出演：ダニエル・クレイグ
クリストフ・ヴァルツ
レア・セドゥ
ベン・ウィショー

映画『007スペクター』のあらすじ

人気英国スパイ映画007シリーズの通算24作目。ダニエル・クレイグが演じる新ジェームズ・ボンドシリーズとしては4作目に値する作品。
メキシコシティに潜伏中だったジェームズボンド（ダニエル・クレイグ）は、追跡中だった標的との戦いでメキシコで騒動を起こし、謹慎処分となる。
前作で死亡したMの遺言のもとある組織を追う必要のあったボンドであったが、MI6より活動を控えられ、マネーペニーやQ達に助けを求め、独自に組織を負うボンド。単独潜入を行なううちに、壮大な悪の組織「スペクター」の全貌を知る事となる。

映画『007スペクター』の感想評価レビュー、一段と増したスタイリッシュさとエンターテイメント性

007シリーズはイギリスを代表する映画という事もあり、イギリスならではの上品なスタイリッシュさが全面に溢れたシリーズです。今回でもそのスタイリッシュさは顕在で、またより一段と磨きが掛かっています。
恒例のオシャレなオープニングのPVから始まり、メキシコ・ローマ・オーストリアと美麗な都市でジェームズボンドのスパイ潜入劇が続き、まるで絵画を見ているようなスタイリッシュなシーンが続きます。新型ボンドカー「アストンマーチン・DB10」と「ジャガー・C-X75」のスーパーカーがローマを疾走するシーンはもはや芸術モノ。これまで以上に美しい作品となっており、映画館で非日常のスタイリッシュで上質な世界を体感したいという方にはこの007スペクターはこの上ない映画となっています。

また今回の007スペクターでは、単にスタイリッシュな雰囲気だけでなくエンターテイメント性も溢れています。ヘリコプターでの空中戦、スーパーカー同士のカーチェイス、電車でのバトルなど息をつかせぬアクションシーンが満載。また007ならでわのジョークやユーモア、往年の007のオマージュなどもてんこ盛りで、エンターテイメント映画としてみても飽きずに楽しめる一級のアクション映画となっています。制作費もかなり多い様で、一つ一つのシーンがとにかく美しく迫力があり豪華です。ダニエル・クレイグの新ボンドシリーズ「007カジノロワイヤル」、「007慰めの報酬」、「007スカイフォール」はややハードボイルドで重めの雰囲気がありましたが、その良い部分は継承しつつ、今作の007スペクターは娯楽映画としても入りやすい作品となっています。

良くも悪くもいつもの007

今作007スペクターは、スケール・美しさ・エンターテイメント性などがてんこ盛りで、ストーリーも良くこれまでの007シリーズよりさらに一段と面白い仕上がりになっていました。

ただ、やはり良くも悪くもいつもの007です。あくま007、ジェームズボンドのカッコよさを体感する映画です。ストーリー自体も入念に練られているものの、ネタバレになるので詳しくは書きませんが、やはり”いつもの”です。
007シリーズを初めて見る方でも十分楽しめる内容になっていますが、あくまで007の流れを組んだ、007シリーズが好きな方に向けて作られた造りとなっており、一風変わったアクション映画を見たい、これまでにないアクション映画を見たいという方にはやや退屈な作品と言えるかもしれません。

またダニエル・クレイグは渋くて好きなのですが、やはり若干今回もユーモアに欠けた様な気がします。今回の007スペクターではユーモアもかなり取り込まれているのですが、なんとなくダニエル・クレイグの顔が渋過ぎるせいか、堅苦しいイメージがあるんですよね。個人的には007シリーズは、単にカッコ良く渋いだだけでなく、ちょっとお茶らけた余裕のあるジェームズボンドならではの紳士的なノリが好きでした。特に前ジェームズボンド、ピアース・ブロスナンのどこかひょうひょうとして、ピンチになっても自身たっぷりな感じが好きでした。今作はユーモアが取り入れられたといってもやはりハードボイルド路線であり、そういったジェームズボンドのお茶らけた一面が垣間見れなかったのは残念な所でした。

まとめ

とまあ残念な部分も挙げさせて貰いましたがあくまで極論です。この007スペクターは一級のアクション映画、娯楽映画で普通に楽しむにはこの上ない映画です。もしお正月休みなどでアクション映画を満喫したいという方には、今期では一番の映画と言えるかもしれません。

007スペクターはこんな人にオススメ！
・アクション映画、スパイ映画が好きな方
・映画館でスタイリッシュで上質な雰囲気を体感したい方
・007シリーズが好きな方
・日々の雑踏を忘れたい方
・スケールの大きい映画を見たい方
など