記事公開日:2015年8月11日
最終更新日:2018年4月3日

ハリウッド・洋画

悪評のわりに面白い、映画『ミスト』感想・評価レビュー(スティーブンキング原作)

スティーブンキング原作のパニック、ミステリー映画「ミスト」。
レビューなどを見ていると、面白い・面白くないで評価が極端に分かれる作品。
普通に面白かったのでレビューしていく。

作品名:ミスト
製作:2007年 米
監督:フランク・ダラボン
原作:スティーヴン・キング
ジャンル:パニック、ミステリー、サスペンス
出演者:
トーマス・ジェーン
マーシャ・ゲイ・ハーデン
ローリー・ホールデン

 

映画『ミスト』のあらすじ

アメリカのとなる田舎町。ある日見た事のない様な大きな霧(ミスト)に街全体が包まれる。
異変を感じたデヴィッド(トーマス・ジェーン)は妻のステファニー(ケリー・コリンズ・リンツ)と8歳の息子と共に街へ食料の買出しに出かける。デヴィット一向がスーパーマーケットで買い物をしていると、急にサイレンが鳴り響きパトカーが街を走り出し、身の危険を感じた買い物客達は店内に閉じこもる。うち一人が霧の中で何かを見たと恐怖に怯え始める。

 

映画『ミスト』の感想・評価レビュー

この映画ミストはパニック映画として出来がかなり良かった。多くのパニック映画はパッケージや予告編などで、対象が何なのかが事前に分かる作品が多い。はっきりとは分からなくても、それがモンスターなのか異星人なのかはたまた天災地変なのか、大枠の部分、ジャンル分けはある程度事前に分かってしまう作品が多い。

対してこのミストという映画は”霧”という程度しか分からず、敵がなんなのか、何が起こっているか、そもそもパニック映画なのかも良く分からずに話しが進んでいく。その伏せた様な絶妙のストーリー運びと、寂れた田舎町の不安感漂う描写がいい。何ともいえない緊張感やワクワク感、ミステリー感が次第に沸いてくる。正直ほぼ期待せず観ていたが、なにやらそのこの映画独特の雰囲気にいつの間にか引き込まれていた。

で、開始50分くらいでようやくその元凶となっているモノが垣間見れる。(ネタバレになるので詳しくは控える)ここで「あー結局こういう系の映画」かと落胆した。そこまで謎、ミステリーが楽しかった分、それが分かって拍子抜けする感じ。正直もうこれでおなか一杯といった感じだった。

ただこの映画が面白かったのは、そこからいらぬ方向に話が進んでいき別の”恐怖”を描き出すところ。なんというか、相手が何なのか、どんな世界観かなのは50分程度見れば分かる。ただそれとはまた違った方向の怖さで2度、3度と見ている人を驚きと恐怖に陥れる。そんなパニック映画だ。最後なんて恐怖のベクトル自体も変わってしまっている。

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終始、恐怖やワクワクが感じられる映画だった。グロさとはまた違う。見えない恐怖や倫理観の恐怖といった、そういった部類の恐怖だ。

 

この映画が叩かれているのは?

この映画「ミスト」は、面白いという声がある反面、駄作、つまらないという意見もレビューなどを見ているとよく見られる。おそらくそれはキャッチコピーが原因なのかなと思う。この映画は、何かと「ラストが凄い」、「驚愕の結末」、「映画史上かつてない驚愕のラスト15分」などとキャッチコピーされる事が多い。DVDの裏表紙もたしかそんな感じだった。

おそらくこれがハードルを上げており、またM・ナイト・シャマランの「サイン」、「ハプニング」、「ヴィレッジ」というラストがウリな糞ミステリー映画のイメージを引きずってしまっている事が関係している様に思える。
更に言えば見終わった後の後味の悪さだろうか。

この映画はラストも面白いというか興味深い訳だが、決してラストが売りだけな映画ではない。そこまでの展開や演出がかなり面白く出来が良い。ただそんなキャッチコピーに振り回され、ラストに終点が集まってしまっている分、自分の求めていたものと違った人が叩いているのかなと思う。加えて糞ミステリー映画の影響で。

まとめると、悪評にそぐわずとても面白い映画だった。悪評関係なしにしても、パニック映画として個人的にかなり面白かった部類の映画。暇つぶしにミステリーでパニックな映画でも見たいなーという方には特におすすめだ。

なおキャッチコピーだけはことごとく無視して見て貰いたい。
こういったキャッチコピーは本国の製作陣からそのうち訴えられるんじゃないか。

 

 

 

・こんな人におすすめ
・先の読めない映画を探している方
・パニック映画、ミステリー映画が好きな方
・絶望的な展開が好きな方、見たい方
・スティーブンキングが好きな方
など

 

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