記事公開日:2015年7月17日
最終更新日:2018年4月3日

日本映画(邦画)

青い空の下、「深呼吸の必要」邦画感想レビュー

サトウキビを刈り続けるバイトに集まった若者達の一風変わった群像劇、「深呼吸の必要」の感想・レビューをしていきます。

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作品名:深呼吸の必要
製作:2003年 松竹
監督:篠原哲雄
出演者:香里奈、谷原章介、長澤まさみ、成宮寛貴、金子さやか、久遠さやか、大森南朋
ジャンル:青春

あらすじ

沖縄の離島でサトウキビ畑を1ヶ月間収穫するアルバイト。全国各地から集まった5人の若者(香里奈、谷原章介、長澤まさみ、成宮寛貴、金子さやか)は、依頼主であるおじい、おばあの家に下宿し、住み込みでサイトウキビ刈りを行う。予想以上に過酷な作業が続く中、次第に集団生活の輪が乱れていき、それぞれが抱える葛藤が浮き彫りになっていく。

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(C)SHINKOKYU associates

 

 

 

『深呼吸の必要』感想・レビュー

この映画「深呼吸の必要」を一言で表せば、清清しい映画だ。
この映画を始めてみたのはちょうど私が学生の頃。自分が若かった事もありかなり清清しい感じを受けた。ただ不思議な事にこの映画は今見ても面白い。DVDを持っていてたまに見る事があるが、毎回清清しい気持ちが味わえる不思議な映画だ。

ストーリーは上のあらすじがほぼ全てと言ってもいい様な話。サトウキビをひたすら刈り続ける。延々と刈りつづける。そこで葛藤、友情などドラマがある訳だが(詳しくはネタバレになるので伏せます)、話自体はそこまで深いものでも目新しいものでもない。良くある青春群像劇だ。

じゃあ何が良いのかというと、この深呼吸の必要の良いところは”自然”が溢れているということ。
まずは環境としての自然。沖縄の大自然がこれでもかっていうくらい壮大に描かれている。それも住宅地、ましてやリゾート地でもない。原野だ。サトウキビの原野が舞台の8割で、朝、昼、夜を延々と描いている。そしてバックに流れるのは小林武史(MY LITTLE LOVER )の美しい音楽。そんな事から自然が美しく壮大に描かれている。映画の中では、この作品が一番沖縄の自然を鮮明に描いているのではないだろうか。

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そしてもう一つは、登場人物やストーリーがとても自然。
登場人物達はいい意味でキャラが乏しくどこにでもいる様な一般人的なキャラ。良く身近にありそうな生々しい悩みを抱えている。世代もバラバラなため感情移入もし易い。ストーリー展開や雰囲気も青春映画特有のくどさやわざとらしさがなく、これも何というか身近で現実的な青春の話で親近感が沸く。ただいくら自然な感じが上手く描けていてもそれだけでは面白くない。そんなの映画で見て何が楽しいの?地味な話じゃんって事になってくる。
この深呼吸の必要が良かったなと思ったのは、ただ自然な感じで終わるのではなく、最後が作りものとしてしっかりと纏まっているところ。それも限りなく清清しく。この手の雰囲気系の映画は、終着点がないままそのまま意味深に終わるパターンが多いが、この映画はしっかりと纏めてくる。詳しくは書かないが、とにかく清清しく終わる、題名の「深呼吸の必要」を表すかの様に本当に綺麗な終わり方をする。
その綺麗で清清しい終わり方と全体的な自然で優しい雰囲気がとてもいい。それがこの映画の魅力だ。

説明しにくい系の映画でもあるので、気になった方は是非見て欲しい。こういうジャンルは好き嫌いが分かれそうだけれど、深呼吸の必要を見終わると大抵の方は清清しい気持ちになれるかと思う。

そんな不思議な映画でした。

また、今は大スターとなっている香里奈、谷原章介、長澤まさみ、成宮寛貴などの貴重な駆け出し時期見れるのもこの映画の魅力の一つ。

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(C)SHINKOKYU associates

 

 

こんな人にオススメ

・清清しいドラマが見たい
・青春映画や群像劇が好き
・わざとらしい青春映画に飽きてしまった
・スローテンポだけど記憶に残る映画が見たい
・気分転換をしたい、リフレッシュがしたい
・沖縄が好き、綺麗な風景の映画が見たい

・深呼吸が必要な方

など

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