記事公開日:2016年6月11日
最終更新日:2018年4月4日

ハリウッド・洋画

【クソ映画レビュー】『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』感想・評価レビュー

世の中には、つまらない映画、面白くない映画、いわゆる”クソ映画”というのが沢山あります。
今回は、アメコミの有名ヒーロー、バットマンとスーパーマンが競演した夢の映画、
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』の感想レビューを書いていきます。

 

 

作品情報

作品名:バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生
製作:2016年米 ワーナーブラザーズ
ジャンル:ヒーローアクション
監督:ザック・スナイダー
出演:
ベン・アフレック
ヘンリー・カヴィル
エイミー・アダムス
ジェシー・アイゼンバーグ
ダイアン・レイン

 

『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』のあらすじ
DCコミックの人気ヒーロー、バットマンとスーパーマンが競演する夢のコラボ作品。
前作『マンオブスティール』での市街戦において、街を破壊し多くの犠牲者を出したスーパーマン(ヘンリー・カヴィル)に対して、怒りと危機感を抱いたバットマン(ベン・アフレック)。
そんな中、水面下でレックス・コープ社の社長レックス・ルーサー(ジェシー・アイゼンバーグ)の陰謀がうずめき、ついにはバットマンとスーパーマン、2大ヒーローの壮絶なバトルに発展していく。

『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』の感想・評価レビュー

この映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』の制作費はなんと410億円。映画史上最高とも言われている額。そして『ダークナイト』、『マンオブスティール』のヒットで人気絶頂の中のバットマン&スーパーマン。

普通に考えればクソ映画になるはずがない。クソ映画にさせるはずがない。
・・・がしかし、蓋を開けてみれば、これはトンでもないクソ映画だった。なんだこれはと。

最初に書くが、私はこういったアメコミ映画はそんなに好きではない。ただ前作『マンオブスティール』のスーパーマンの無敵っぷりが意外と面白かった。それでこの新シリーズのスーパーマンは好きになり、今回もその経緯でこの映画を観た。アメコミ映画ながら意外と期待してい作品だ。

さて、そんな感じで見たのだが、なんだこれはと。
まず、問題となる女記者ルイスさん。
今作『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』では、スーパマンの無敵っぷりの爽快アクションは影に隠れ、序盤は何やらシリアスでハードボイルドタッチなドラマが展開されていく。ただそこは意外性がありまだ良かったのだが、またもや出しゃばってくる、この女記者ルイスが。前作『マンオブスティール』の汚点とも呼べるこの女記者ルイス。
今回もスクープを追いかけているだけのただの一般女性ルイスが、世界レベルの大きな話に混じってくる。蚊帳の外のキャラ、ストーリーに全く不要なキャラであるルイスが、無理矢理のヒロインパワーで出しゃばってくる。(おまけに見た目も残念)
スーパーマンの活躍シーンは減ったのに、ルイスの出しゃばりシーンは増え、シリアスチックな展開なだけに余計に滑稽であった。このルイスの暴挙により、なにやらクソ映画臭がプンプンと匂い始める。

そして、クソ映画を決定付ける第2のルイスが登場する。それは誰かって、”バットマン”である。
今回のバットマンは、
・よくわからない理由でスーパーマンに怒りを持つ
・スーパーマンとまともに戦っては勝てないので、姑息な作戦を練る
・最大の見せ場のはずのバットマンとスーパーマンのバトルシーンが姑息な手を使ったプロレスバトル
・なぜか母親の名前が同じ事で、意気投合し試合終了

こんな事を、2時間30分掛けて描かれている。そして見せ場であるバットマンとスーパーマンのバトルシーンはわずか10分程度。前半のシリアスドラマもまるで不要で、よく分からない理由で戦うだけ。

今回のバットマンはルイスと同じである。明らかな能力差でスーパーマンにはまず勝てない蚊帳の外のキャラ。そして戦う理由すら中途半端。そんなバットマンが出しゃばる姿が2時間30分掛けて滑稽に描かれる。

おまけに終盤はボスキャラとも呼べる巨人や超人アマゾネス女子が登場し、レベルがインフレしたはちゃめちゃな展開に。バットマンはもはや「帰ってください」的な立ち居地に。そしてそれでも出しゃばるバットマン。

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“バットマン vs スーパーマン”、完全にタイトル詐欺である。
バットマンの醜態を晒す映画に他ならない。

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金儲けの匂いがクソ映画に拍車をかける

バットマンが蟻だとしたら、スーパーマンはライオンだ。それくらいこの2つのヒーローには能力差がある。スーパーマンはバットマンの相手として強すぎる。本来はバットマンとスーパーマンが戦う映画はありえない。話にならないから。
それを分かった上で、この蟻とライオンが何故戦うか、どう戦うのかを観客は期待していたと思う。私もそこを期待した。制作費410億、上演時間2時間30分の超大作映画。一流の脚本家がこの2大ヒーローの無謀な戦いを上手く調理してくれるのだろうと。

ただ蓋を開けてみれば、戦う理由も良くわからない、戦いすら殆どしていないトンデモ映画である。全てを台無しにしたクソ脚本だ。素人がとやかく言える問題でもないが、とにかくツマラナイのは事実だ。
ではどういった脚本が良かったのかといえば、それは私には分からない。ただ脚本家が分からないのは問題だ。この超大作映画、相当な脚本料を貰っていただろう。2大ヒーローのブランドも背負っている。それでできたのがこのまるで子供が書いた様な陳腐な脚本というのは大問題。書けないのなら、この2人は戦わせるべきでなかった。

経緯は知らないが、おそらくこの映画は金儲け映画だったのだろう。バットマンとスーパーマンを戦わせれば嫌でも注目は集まる。脚本は2の次だったのだろう。製作陣はお金儲けがしたいだけで映画を作る気は微塵も無かったのだろう。そうでなければ、こんなクソ脚本がOKされるはずがない。
そんな金儲け臭が感じられるのも、この映画がクソな点だ。

そんな感じで、普通に見てもつまらない、おまけに長い、おまけにバットマンとスーパーマンのブランド力を台無しにした最高にクソな映画だ。
私はこの映画を観て、バットマンにこれまで以上に興味がなくなった。もうバットマンシリーズは見る気はない。

いつものクソ映画レビューであれば、演技やCGは良かったと擁護も書くが、今回は書けない。演技は一流であるし、CGもセットも一級であった。でもそれはこれだけ制作費を掛けていれば当たり前である。

なので、何の良いところもなく、脚本がトンでもなく悪い、褒めどころの無いクソ映画だ。

名作が洒落にならないクソ映画に

クソ映画には、笑えるクソ映画と、洒落にならないクソ映画、2タイプがある。
例えば、以前にレビューを書いた『激突!2015』、こういう映画は笑えるクソ映画だ。くだらなさが逆に”粋”にも感じる。
【クソ映画レビュー】映画「激突!2015」感想・評価
しかし、今回の『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は、笑えないし、完全にスベっている。洒落にならないタイプのクソ映画だ。

「映画とはこういうもの」と高尚に論じる事などできないが、これは誰がみても映画ではないと思う。バットマンとスーパーマンを写しただけのPVか何かだ。
だれも知らない様なB級映画ならまだしも、今回の主役はアメリカの娯楽映画史を支えてきたバットマンとスーパーマン。この2大ヒーローを使った公式の続編映画が、映画ではなくPVになっているのは、なんとも哀れだ。洒落にならない。

 

この映画はこんな人におすすめ

・女記者ルイスというクソキャラクターの勘違いヒロインっぷりを堪能したい方
・バットマンの哀れな醜態を見たい方
・つまならい脚本から何かを学びたい方
・ワーナーブラザーズの金儲けに対する意気込みがみたい方
・2時間30分を無駄に過ごしてみたい方n
など

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コメント

  1. スーパーマンは黙って死んどけ より:

    つい先日レンタルでこの作品を観ました。
    感想としては管理人さんの意見と概ね一緒なのですが、1つだけ違うように感じました。
    それはバットマンが戦う動機についてです。
    私は前作でスーパーマンが大都市のど真ん中で二次災害など気にせず闘いまくる姿に「やり過ぎでは?」と思っていたのですが、ヒーローものの映画ではそういった部分には触れられず自分の身の周りの人間さえ助かればオールオッケーというのが定石なのでスルーしていました。
    しかし本作はそうしたタブーにバットマンが触れるような導入があり開始10分は最高に期待したのですが…
    あとは管理人さんのご意見と全くもって同意でした。
    個人的に最も許せなかったのは会社のヘリを私用で使ったり、大事な武器を池に捨てて拾いに行く際に勝手に溺れて足を引っ張る女記者でした。
    あと金の匂いがプンプンしましたよね。取り敢えずヒーローをねじ込めるだけねじ込んで派生映画作りまくってやる感には反吐が出そうでした。
    他にも殺し合いに近いほどの戦闘の終結が「ママの名前一緒やん!イェーイ!俺ら今日から友達な‼︎」みたいなものであったのも悪寒がするほど気持ち悪かったですよね。
    ま、上記に比べれば怪物の攻撃エフェクトがワンパターンだったのなんて全編見終えた後に振り返れば気にもならないですよ(笑)

    私自身は普段こんなに何かをネットに書き込むような人間では無いのですが久々に無性に湧き上がる怒りをどこにぶつけたらよいものかと考え、管理人さんのような似た感想を持っている方に聞いて頂きたく書かせてもらいました。悪しからず。

    1. syumi より:

      ご丁寧なコメントありがとうございます。

      私も普段はこういう攻撃的な内容のレビューは書かないようにしているんですが、余りに酷い映画であったためつい文にぶつけてしまいました。
      本文中には詳しくは書きませんでしたが、私も序盤の10分20分の展開はすごく期待していました。あなた様と同意見です。正統派ではない皮肉混じりの意外な展開になるのかとワクワクしていました。その分、その後の展開のガッカリ感が半端なかったです。
      女記者ルイスについても、ほんとイライラでしたよね。スーパーマン原作の関係でヒロインは入れなくちゃいけないのかもしれませんが、もう少し上手い立ち居地にできなかったのかと。
      DVD特典用のおまけサイドストーリーの様なものであればまだしも、この作品がバットマンとスーパーマンの正史に組み込まれているようです。両作品の往年のファンの怒りはもっと大きいのでしょうか。もし自分がバットマンの大ファンであったら多分発狂したんじゃなかと(笑)
      次回作はどうなっていくのでしょう。ある意味気になります。

  2. 最後の悪役はハルクかよ・・ より:

    クソ映画、同意であります。
    そもそもタイトルからして無理.. な作品じゃないでしょうかね。
    そう思ったのでテレビ放映をつまみ食いくらいにしか観てませんが、蟻とライオンというよりも蟻と進撃の巨人、蟻と巨神兵、蟻とワンパンマンくらいの差がある闘い?を無理やり作るなんて最初から屁も出ないレベルだと思います。
    ハリウッドではコミック原作ものでの単独作品を作り尽くしたので、次は競演、最後はチームでなんて流れになってますが、各々のヒーローの力の差があり過ぎて、共演する際にキャラクターが元々持ってるパワーのインフレデフレが設定を破壊するレベルです。
    ハードSF好きな自分にとってはその時点でもーね.. って感じなのですが、原作好きな方達もそれでいいの?と問いたいです。

    1. syumi より:

      コメントありがとうございます。

      久しぶりに自分が書いた内容を読み直したらかなり過激なこと書いていました・・、でもやっぱり今思い返してもかなりクソな映画だったと思います。力加減というのでしょうか、傍からみると、ちょっと無理があり過ぎました気がします。

      私も原作のファンがどう感じたのか知りたいところです。

  3. SATO より:

    クソ映画、、、大きく同意です。
    期待値と実際のレベルのかけ離れ具合が、今まで見た映画で最もかけ離れていた映画です。

    1. syumi より:

      あまり汚い言葉を使うのはあれですが、これはクソ映画です。。クソしか言えません。

  4. U・M より:

    初めまして!昨日金曜ロードショーで放送してたのでチラッと見て見ましたが・・・・僅か40分でギブアップしました・・・・
    そもそも自分的には、スーパーマンはクリストファー・リーブ、バットマンはマイケル・キートン
    或いはおバカ映画(褒め言葉)として有名な「バットマンオリジナルムービー」のイメージが未だに
    強く、近年の様々なリブート作(マン・オブ・スティールやダークナイト等)も見てないんですよね。

    そんな自分がBVSを見ようと思ったのも、「2大スーパーヒーローの激突!」と言う文句に惹かれた
    からなのですが・・・思いっきり「コレジャナイ」感が漂ってました汗笑

    ああ、クリストファー、マイケル主演で90年代に作って呉れれば泣

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