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『君の名は。』で再評価?傑作鬱アニメ映画『秒速5センチメートル』紹介

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※映画『秒速5センチメートル』のネタバレを若干含みます。
『シン・ゴジラ』に続き、2016年夏のヒット作品となっている映画『君の名は。』。
この『君の名は。』を観て、過去の新海誠シリーズに関心を持った方も多いかと思います。

そこで新海誠シリーズの中でも特に評価が高く、また鬱で危険な映画としても扱われている噂の傑作アニメ映画『秒速5センチメートル』について、いま改めて特集していきます。

 

 

今も尚評価の高い『秒速5センチメートル』とは?

 

作品情報:
作品名:秒速5センチメートル
監督:新海誠
脚本:新海誠
公開:2007年
配給:コミックス・ウェーブ
ジャンル:恋愛ドラマ
出演者(声):
水橋研二
近藤好美
尾上綾華
花村怜美
水野理紗

受賞歴:
アジア太平洋映画祭  アニメーション映画賞 受賞
イタリア フューチャーフィルム映画祭 「ランチア・プラチナグランプリ」(最高賞) 受賞。

キャッチフレーズは、
“ねえ、秒速5センチなんだって。桜の花の落ちるスピード。秒速5センチメートル。”

 


秒速5センチメートルの概要:
『秒速5センチメートル』とは、『ほしのこえ』、『雲のむこう、約束の場所』に続き、新海誠監督第3作目として製作されたアニメ映画です。
それまで新海誠作品では恒例であったSF要素を一切排除し、恋愛のみにスポットを当てた異色の作品。少年少女の初恋とその行方を、美しい映像と音楽、そして残酷とも言えるほどリアルで物悲しいストーリーとして描いています。

恋愛アニメ映画としては異例と言えるほど多くの世代に対してヒットし、特に”大人”からの評価が高いのが『秒速5センチメートル』の大きな特徴です。
各著名人も絶賛しており、世界的なメディアからも高い評価を受けている傑作アニメ映画です。

各方面での評価・感想↓

「アニメながら)完全に大人向けの作品」
今井夏木(映画監督)

 

「時間の流れが独特で、見終わった後に浄化された気分になる」
田村淳(芸人、ロンドンブーツ)

 

「圧倒的に緻密な描画の背景、そしてお粗末さすら感じさせる描画の登場人物。環境のもたらす運命に翻弄される登場人物達の非力な様をこれらの対比によって表現している」としたうえで、「新海のこの新しい試みはアニメの可能性を飛躍的に拡張するものであった」
ロニー・シャイブ(米誌『バラエティ』の記者)

 

関係の継続をテーマに据えた『こえ』、関係の再現をテーマに据えた『雲の向こう』。対する『秒速』がそのテーマに据えるは、すなわち関係の遷移、時の流れとともに失われてゆく何かを惜しむ気持ちとの決別、今そこにある幸福を追求することによる過去との決別、これであります。そうした意味で、これまでの新海作品のなかで最も大人びた、深みを備えた作品にあたるのがこの『秒速』です。
セロン・マーティン(米『「アニメ・ニュース・ネットワーク』の記者)


秒速5センチメートルのあらすじ:
『秒速5センチメートル』は、「桜花抄」、「コスモナウト」、「秒速5センチメートル」の3つの短編アニメ映画から成る特種な構成となっています。この3作品は同時上映され、ストーリーは連結しています。(3つでワンセットの話となります。)

※以降、若干ネタバレを含みます。

1.「桜花抄」のあらすじ:
『秒速5センチメートル』の第1編、約28分。主人公は遠野貴樹×篠原明里。
東京の小学校でクラスメイトとなった遠野貴樹と篠原明里。転勤族の親を持つ2人は、互いに親近感を持ち、次第に特別な感情を抱くようになる。そんな中、2人は親の転勤により、それぞれ鹿児島と栃木に転校する。
文通で連絡を取っていた2人であったが、遠すぎる距離と莫大な時間が2人の前に立ちはだかる。

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2.「コスモナウト」のあらすじ:
『秒速5センチメートル』の第2編、約22分。主人公は遠野貴樹×澄田花苗。
澄田花苗は中学2年生のときに、親の転勤で東京から引っ越してきた遠野貴樹と出会う。澄田花苗は遠野貴樹に惹かれ、同じ高校に。そして高校3年生の夏、長く抱いた恋心を伝えようとするが。

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3.「秒速5センチメートル」のあらすじ:
『秒速5センチメートル』の第3編、約15分。主人公は遠野貴樹×篠原明里。
月日は流れ、遠野貴樹は大学を卒業し、都内のIT企業に勤めていた。一方、篠原明里は結婚を目前に、里帰りをしていた。そんな2人が、ある日、とてもとても昔の夢をみる。
そして遠野貴樹は、憑き物が取れたかの様に会社を辞める。

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以上、3つの短編作品で、”初恋”をテーマにした美しくも切ないドラマが展開されていきます。

 

なぜ、映画『秒速5センチメートル』は”鬱”になるのか?

この『秒速5センチメートル』は、評価は高いものの、ネットなどで「観ると鬱になる」、「死にたい」といった感想で溢れている映画でもあります。

さて、なぜ秒速5センチメートルを観ると鬱になるのか?

これは、多くの人が初恋(もしくは昔の大恋愛)を、大人になってもやっぱり完全に忘れられていないからだと私は思います。
この3人の主人公のように初恋としっかりと向き合えず、もしくは向き合ったけれど成就せず、そのまま心の片隅に置いたままにしている方が世の中には沢山いるかと思います。
そして、「初恋は成就する事はない」、「初恋は思い出だから美しい」、「2番目に好きな人と結ばれるのが良い」、「過去のことは過去のこと」といった現実的な理由をつけ、いつの間にか昔の甘酸っぱいイイ思い出に美化している方が多いのではないでしょうか。私もその口です。

ただ、心の置く底には、そうではなく、”初恋を実らせたかった”と願う自分がやはり今も居るのだと思います。それを消す事は自己否定になってしまうので完全に消す事はできない、でも昔の恋に縛られて生きていくのは辛いし”イタい”ので、心の奥底に沈めて生きている。

そして、この『秒速5センチメートル』は、そんな忘れていた心の奥底の自分を、無理矢理引きずり出してくるような実に巧みな演出が施されているから、この映画を観ると鬱になるのかと思います。

この『秒速5センチメートル』は、そんな心の奥底をかき乱し、フラッシュバックさせるようなある意味暴力的な映画です。(笑)

ですので、初恋や昔の恋愛に少しでも想い入れが残っている方が観ると、やや危険な映画です。
さらに、もし今現在も初恋や昔の恋愛をずっと引きずっている方が観ると、もしかしたら洒落れにならないレベルの映画かもしれません。

初恋を描いた作品は、これまでにも洋画、邦画、アニメ問わず沢山観てきましたが、ここまで初恋を儚く描いた作品はいままで観た事ありません。

そんな、残酷的なほどに初恋や恋愛の儚さを描いた映画がこの『秒速5センチメートル』です。

 

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漫画版or小説版『秒速5センチメートル』を観るかで、解釈が変わる

映画『秒速5センチメートル』は、漫画版or小説版『秒速5センチメートル』の内容を凝縮したものであり、漫画版or小説版では映画では描かれなかったサイドストーリーが展開されています。

映画『秒速5センチメートル』は意外と大事な部分が省かれているため、例えば主人公の遠野貴樹であれば、遠野貴樹は大人になってまで初恋を引きずっており、それで仕事も辞めてしまうようなある意味イタい人間に見えますが、漫画版or小説版を読む事で、印象がかなり変わります。遠野貴樹だけでなく他のキャラクターについてもです。

せつなさや儚さでは、ある意味凝縮された映画『秒速5センチメートル』の方が上ですが、実際のリアルな流れも知りたい方は、漫画版or小説版を見ることをおすすめします。
あと、映画版のあの結末で鬱になってしまった方も、漫画版or小説版を見れば少し和らぐかもしれません。

漫画版秒速5センチメートル 全2巻

小説版秒速5センチメートル

 

まとめ

このように、映画『秒速5センチメートル』は良くも悪くも癖の強い映画です。
新海誠作品の中では個人的には一番おすすめですが、『君の名は。』の流れで観る方は、少々ショックを受けるかもしれませんのでご注意ください。

映画『秒速5センチメートル』はこんな人におすすめ!
・初恋や恋愛映画の傑作を探している方
・”普通”には終わらない恋愛映画を探している方
・昔の恋愛を思い出したい方
・映像や音楽の綺麗なアニメ映画を探している方
・新海誠作品に興味がある方
・短時間で濃い内容の映画を探している方
など

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