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最高の怪獣映画&でしゃばり記者女、『キングコング 髑髏島の巨神』感想・評価・レビュー

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米『ゴジラ2014』のスタッフが集い制作された『キングコング  髑髏島の巨神』。
キングコングの猛威を徹底して描いた原点回帰的な作品であり、これまで以上の人気と高評価を得たキングコング作品となっています。

ゴジラ好きの私が、この新生キングコングの感想・評価・レビューをぼやいていきます。

※映画『キングコング  髑髏島の巨神』のネタバレが若干入ります。

【作品情報】
タイトル:キングコング  髑髏島の巨神
監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ
出演:
トム・ヒドルストン
サミュエル・L・ジャクソン
ジョン・グッドマン
制作:米レジェンダリー・ピクチャーズ
公開:2017年3月
ジャンル:怪獣アクション、アドベンチャー、サバイバル
上映時間:118分

 

『キングコング 髑髏島の巨神』感想・評価・レビュー: 所詮はゴリラ、しかし最高の怪獣映画

少し前置きを。
このサイトを見て貰っても分かると思うが、私は『ゴジラ』シリーズの長年のファンであり、ゴジラは正直死ぬほど好きだ。またゴジラに限らず怪獣系の映画も大好きだ。
しかも本作『キングコング 髑髏島の巨神』は、アメリカ版『ゴジラ2014』を製作した「米レジェンダリー・ピクチャーズ」の制作陣が関わっており、今後の米ゴジラシリーズに直結する前段作品、スピンオフ作品ともされている。

本来であればすぐさま飛びつかなければならないような映画だが、にも拘わらず、なぜかこの作品には余り興味が持てず、なかなか映画館に足が運べなかった。

なぜかって、それは「キングコング」だからである・・・。

私はゴジラのような”怪獣”、また”恐竜”のような今では存在しえない巨大生物には興味がそそられる。しかしキングコングはどうしても同列では見れない。だって、キングコングはただの”巨大なゴリラ”にしか見えないからだ。いくらゴジラのように派手に暴れようと、所詮はゴリラ。そこに怪獣としての魅力はどうしても感じられなかった。なぜアメリカでここまでキングコングシリーズが人気であるかも全く理解できなかったし、ゴリラが暴れる姿をお金を払ってまで観る気には全くなれなかった。
そんな経緯があって敬遠していたが、高評価の噂に後押しされ、今回、久しぶりにキングコングを見る事となった。

さて、本題となる感想を。
一言で感想を言えば、素直に面白い映画だった。終始飽きることなく楽しめた、最高の怪獣映画だった。

人が”恐れ”を感じるサイズというのはご存知だろうか。
ゴジラのような100メートルの高層ビルの様な巨体よりも、実は50メートル前後のサイズの方が人が最も恐れを感じるサイズと言われている。今作『キングコング 髑髏島の巨神』はその50メートルのサイズの世界で、登場人物達を絶望と恐怖に陥れる最高の怪獣バトルをやってくれた。
『ゴジラ2014』や『シン・ゴジラ』は、遠方カメラからの引きシーンが多く、怪獣バトルにおいては無いに等しかった。一方で今作『キングコング: 髑髏島の巨神』は、怪獣バトルを徹底的に描ききった映画。また最新のCGを駆使し、近距離での怪獣本来の”巨大さ”や”強さ”を人間の無力さと対比させながら、生々しく描いていたのも最高であった。

70年代の無人島というシチュエーションも後から見れば素晴らしい。予告編では「なんでジャングルなんだ、怪獣映画ならもっと市街地やビルを壊さないと・・・」と落胆していたが、この”何もなさ”が最高であった。
以前、『ジュラシックワールド』の感想でも似たような事を書いたが、今更キングコングが市街地に出て暴れても、2017年現在の最新の軍事力を以てすれば直ぐに一掃されるのは間違いない。キングコングといっても所詮は巨大なゴリラ。ゴジラのように人知を超えた耐久性の肉体も持っておらず、放射能光線のようなチート武器もない。現代の市街地にノコノコと現れれば、いとも簡単に一掃される存在と言える。初代キングコングの頃とは時代が違うのだ。
それを今作では、時代背景を1970年代とした事、舞台を戦闘機も戦車もないジャングルとした事で、怪獣としての強さや恐ろしさを十二分に引き出せており、シチュエーションとしても最高であった。

怪獣の生々しい強さをバカのように追及した、最高の怪獣エンターテイメント的作品だった。

ストーリーのテンポも良く、ハラハラドキドキの演出やオールディーズ風な映像演出も素晴らしい。まるで『インディジョーンズ』のような秘境冒険のワクワクも楽しめた。

しかし、それでもキングコングは最後までゴリラにしか見なかった。出来れば「ゴリラではなくゴジラでやって欲しかったな」という本音もあるが、怪獣映画としては見どころ満載で終始楽しめる面白い映画であった。

『キングコング 髑髏島の巨神』のここがダメ :全てを台無しにしたヒロイン女、なぜカメラを捨てない

本作は余り不満という不満はなく、純粋に楽しめる娯楽映画であったが、唯一ダメだったのが記者の女ウィーバー。

『バットマンVSスーパーマン』でも記者女が作品を台無しにしていたが、今作でも、案の定どこの馬の骨だかもわからないただの女記者ウィーバーが、でしゃばるでしゃばる。

「髑髏島の探索メンバーになぜ参加してるんだ」と言いたくなるくらい場違いなただの記者ウィーバーが、途中からヒロインパワーでコングと意志疎通し、コングも何故か特別彼女を溺愛し、瀕死の場面でも彼女を優先して守る始末。この辺は原作の設定の関係もあるかと思うが、でしゃばり具合、特別扱い具合が終始不快であった。

また、それ以上に鼻についたのがカメラ
彼女はとにかく記者魂で写真を撮りまくる。ついさっき自分達を襲ってきたばかりの先住民族も次のシーンでは直ぐにカメラで激写。仲間が次々と死に、先行き絶望の場面でも、直ぐにまたカメラ。一人だけ常にビジネスマインドで居続ける存在で、周囲で怒る惨事との対比がシュール極まりなかった。あの状況で、時折溢れんばかりのさわやかな笑顔をまき散らしていたのも彼女だけであり、意味不明な女である。まるで異国のバカンスを楽しんでいる様にも見えた。

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それでも外界へコングの存在を知らせない為、ラストでカメラを捨てれば綺麗な話になった。しかし「いつカメラ捨てるんだ、捨てるんだ」と期待しても、結局は捨てずにお持ち帰りでエンドロールに突入・・・絶句した。
これまでのコングの存在を尊重していたシーンは一体なんだったのかと。なぜこコング側もこんな女を守ってしまったのかと。主人公の男に「金で動くな」的な言っていたのにも関わらず、当の自分はどうなのかと。
あのカメラのフィルムを持ち帰り、彼女はそれをどうしたのだろうか。この女なら仕事は仕事と割り切り、スクープとして撮った写真を売り出しかねない。

最初から最後まで、一人だけ記者世界という別次元を生きる、すべてを台無しにした最低キャラクターであった。次作もこの記者女がコングを手のひらで転がす重要キャラとして続投されると思うとヘドがでる。なぜ記者女はこうも映画をダメにするのか。

ビジュアル的にも立場的にも、ヒロインは同行していた中国人風の美人女性の方がまだよかったのではないか。

 

続編『ゴジラVSキングコング』、圧倒的な米ゴジラに非力なコングがどう立ち向かうのか?

今作のエンドロール後のラストシーンでも示唆されていた通り、今後米レジェンダリー・ピクチャーズの「モンスターバースシリーズ」として、

ゴジラ・モスラ・ラドン・キングギドラが登場する続編『ゴジラ キングオブモンスターズ』の公開が2019年3月22日に予定されており、そして、ゴジラとキングコングが戦う続続編『ゴジラVSキングコング』の公開が2020年3月29日に予定されている。

さて、今作を見ても分かる通り、キングコングは強いものの、ゴジラと比べてしまうとやはり圧倒的に弱い。
『ゴジラ2014』で登場した米ゴジラは、体長108メートルの高層ビル並みの巨体であり、米軍のミサイル攻撃の乱射を受けてもびくともしない装甲を持つ。おまけに放射能熱線も完備だ。一方でキングコングはと言えば、体長は31.6メートルとゴジラの3分の1にも満たず、今作を見る限り、機銃の攻撃で血を流し負傷し、火では火傷の重症を負うほど薄い装甲。動物の域から抜け出せていない。

『ゴジラVSキングコング』ではこの2体が戦う事となるようだが、ゴジラとキングコングではやはりクラスが異なり、まともに戦えば勝敗は見えている気がする。
今作『キングコング 髑髏島の巨神』は1970年代の話であるため、その後数十年の間にコングが更に巨大化し火力が高まる線も考えられるが、やはりそれでもゴジラの相手としては弱い気がする。

この力差のある戦いをどう描くのかが楽しみでもあり、不安でもある。

『バットマンVSスーパーマン』では、同じように2大スターの共演という事で、スーパマンの相手には到底及ばないバットマンを無理やりに戦わせ、散々な内容となっていた。
「モンスターバースシリーズ」は、入念な長期計画で進行しているプロジェクトの様であるため大丈夫かとは思うが、間違っても『バットマンVSスーパーマン』の様な、2大ブランドを使った金儲け前提の見切り発車的な作品にはならない事を心から願う。

ゴジラ側、キングコング側双方ともに輝けるような最高の怪獣バトルを期待したい。

↓かつて、映画『キングコング対ゴジラ』で共演した2体。今でも本作が日本ゴジラシリーズ歴代最高の動員数を誇る大ヒット作として君臨している。
このドル箱2大スターの再共演は、内容も名作になるか?あるいはただの金儲け映画になるか?

まとめ

本作は、『シン・ゴジラ』のように何かを考えさせられたり感動する深いテーマや重いテーマは一切ないが(ただし観方によっては一部あるかも)、とにかく見ていて楽しい娯楽怪獣映画だ。
怪獣やキングコングが好きな人はもちろんだが、休日などに現実を忘れて、おもいっきり秘境のアドベンチャーを愉しみたい方にもうってつけの映画だ。

映画『キングコング 髑髏島の巨神』はこんな人におすすめ!
・怪獣映画やキングコング映画が好きな人
・秘境の探検映画が好きな人
・ハラハラドキドキのサバイバル劇が見たい人
・非日常にどっぷりハマりたい人
・1970年代風のオールディーズチックな映画がみたい人
など
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