テトリスに次ぐ知名度を誇る、落ちゲーパズルゲーム「ぷよぷよ」シリーズ。
この「ぷよぷよ」の世界観は「魔導物語」というゲームがベースになっています。
余り知られていないぷよぷよと、この魔導物語の関係をご紹介していきます。
※コンパイル版のぷよぷよ、魔導物語をベースに紹介します。
ぷよぷよのルーツとなった、「魔導物語」とは?
「魔導物語」とは1990年~1998年までゲームメーカー、コンパイルが展開していたRPGタイトル、シリーズです。(現在はコンパイルハートにより聖魔導物語としてシリーズ継続中)
もともとはパソコン雑誌の付録として収録されていたゲームでしたが、人気により1990年に「魔導物語1-2-3」として製品化。これが魔導物語の始まりとなります。
魔導物語1-2-3はウィザードリィシリーズに似たダンジョン型RPGで、HPが数値でなく「痛さの余り転げまわった」「痛さのホームラン」「げげげ、内蔵吐いちゃうよ」と言葉で表現されるのが特徴的。
ストーリーは、ぷよぷよでも登場するアルル・ナジャの冒険物語。6歳の魔導幼稚園の卒業試験エピーソード、16歳になってからのダンジョン冒険エピソード、その後日談エピソードの3部構成となっています。
この時点でアルル・ナジャを始め、シェゾ、ミノタウロス、サタンなどぷよぷよシリーズにも登場するキャラが数多く登場しています。ぷよぷよも敵キャラ(スライム的な位置づけ)として登場。ファイヤー、ばよえーんなどのおなじみの呪文も登場しています。
魔導物語の世界観
魔導物語の世界観は、ぷよぷよのイメージと打って変わって至ってまじめです。剣と魔法の正統派ファンタジー系の世界観で、ややダークファンタジーよりです。特に魔導物語1-2-3など初期のタイトルは異色で、敵キャラの首をはねたり蒸発させたり、食べようとしたりかなりぶっ飛んだ世界観です。キャラデザインもぷよぷよシリーズの可愛らさしさはなくかなりリアル寄り。
ただアルルナジャのおちゃらけた性格、ぷよぷよシリーズのゆるーいやり取りは顕在で、なんともいえない世界観を醸し出しています。
タイトルを追う毎に、徐々にぷよぷよシリーズに繋がる可愛らしい世界観になっていき、キャラデザインもデフォルメされていきます。
※これまでに発売した魔導物語タイトルは記事下で紹介します。
魔道物語1-2-3ゲーム画面 凛々しくリアル目なアルル
魔導物語 魔導師の塔 ゲーム画面 ややデフォルメされてきたアルル
アルル・ナジャという人物
ぷよぷよシリーズ、魔導物語シリーズで常に主人公となる、このアルル・ナジャという女の子。ぷよぷよシリーズではほぼ説明ありませんでしたが、かなり濃い設定なので改めて紹介していきます。
・名前はアルル・ナジャ。由来はドーデの短編小説「アルルの女」に登場する女性アルルと、海外小説(小説名不明)の女主人公ナジャから。いずれの小説でも男の人生を惑わす女性として扱われている模様。
・性別は女性、一人称は”ボク”のボクっ子
・年齢16歳、身長156cm、体重46kg、スリーサイズB86/W60/H85、血液型AB型
・茶色の髪の毛、瞳の色は金色。趣味はダンジョン探索。好きな食べ物はカレーとらっきょ
・性格は天真爛漫で芯が強い、思った事は言うタイプ
・好きな色は青
・魔導パットという特殊な防具を身に纏っている。(後期は魔導アーマー)
・幼少期は成績優秀だった様だが、タイトルを重ねる毎にとてもそうは見えなくなる。
・相手に突っ込みは入れられるが、基本ボケている
・家族構成は母親、祖母、アルル(父親がいるかは不明)
・魔導士の卵で、魔導士を目指しているが、魔力はボスのサタンより強い
・自分が美少女だという自覚がある
・家のドアは毎回破壊して開ける
・モンスターや敵キャラを平気で半殺しにする
・モンスターを食べようとした事もある
・幼少期もモンスターには容赦しない
・モンスターに色仕掛けをする
・16歳の段階でサタン(10万歳越え)から何度も求婚されている
・常に敵キャラ達から攻撃や挑戦を受けるが、全て撃破していく
・幼少期に幼稚園の課題で命に関わる様な試練を受ける、そして全て突破していく
・幼少期に本を読んだだけで、数々の魔法を使えてしまう
・カーバンクルという謎の超生命体を従えている
・幼稚園とダンジョンにいる事が多い
・16歳で禁断魔法「オワニモ」の封印を解く
・ドッペルゲンガーアルルと呼ばれる分身がいる
ぷよぷよシリーズでアルルは可愛らしい女の子(ちょっと変な所もありますが)として描かれていますが、実際はこの様にかなりぶっ飛んだ性格、能力を持つ女の子となっています。設定を知っておくとぷよぷよシリーズがより楽しめるのでは。
ぷよぷよに登場する魔法
ぷよぷよシリーズの連鎖時の掛け声として恒例の「ファイヤー」、「アイスストーム」といった魔法。この魔法も魔導物語から流用されており、魔導物語内でも戦闘魔法として使用されています。掛け声SE(ボイス)も魔導物語のものと同じです。
それぞれの魔法の意味、設定を簡単に紹介します。
連鎖 | 魔法名 | 魔導物語上の設定 |
1 | 魔法なし | ‐ |
2 | ファイヤー | 初歩的な炎系魔法。火の玉をぶつける。上位魔法にはファイアーアロー、ファイアーストームといったものもある。 |
3 | アイスストーム | 初歩的な氷系魔法。氷の柱をぶつける。アイスという名前で扱われる事もある。また魔導物語には、サンダー、ストーン、ウィンドなど火、氷以外の属性魔法も存在する。 |
4 | ダイヤキュート | 自分の魔法力を増強する魔法。「ぷよぷよーん」でチコというキャラクターが”ダイヤキューブ”という似た名前の魔法を使うがこれとは異なる。 |
5 | ブレインダムド | 脳みそを溶かす魔法。ただ実際は相手の知力や思考力を下げる効果。 |
6 | ジュゲム | 莫大な気を発生し、敵に叩きつけて爆発させる魔法。強力な魔法だが成功率が低い。 |
7 | ばよえーん | 相手を感動させる魔法。その言葉を聴くと相手の心は浄化され感動する。ぷよぷよでは最終連鎖時に使うのでなにやら凄そうな魔法に見えるが、魔導物語では実は図書館の本で簡単に覚えてしまう。 |
この様にぷよぷよの連鎖で使われる魔法は、魔導物語の方で細かく設定が作られています。また魔導物語はRPGですので回復魔法などこの他にも数多くの魔法が登場します。
ぷよぷよはなぜ消されるのか
まずぷよぷよが4色そろえるとなぜ消えるかについてですが、これは魔導物語内でアルル・ナジャが「オワニモ」という禁断魔法の封印を解いた為です。
オワニモは時の迷宮で発見した禁断の魔導書に書かれていた古の呪文。同色、同種族のモンスターを4つ揃えると時空の彼方へ飛ばす効果を発揮します。一度開放した事で常に発動しており、同色、同種族のモンスター(基本的にぷよぷよ)を4つ揃えれば、アルル以外でも時空の彼方へ飛ばす事が出来ます。
さてぷよぷよシリーズで、なぜぷよぷよが上から落ちてきて、それをキャラ達が消し合っているのかですが、これは謎です。ただ魔導物語ではぷよぷよは、ドラクエのスライムの様なものですので、特に理由もなく片付けるのが風習なのかもしれません。消されたぷよぷよは時空の彼方へ飛ばされるだけなので死ぬわけではありませんが、ぷよぷよ側から見たらたまったものではないでしょう。
これまでに発売された魔導物語作品
これまでに魔導物語シリーズは多数のタイトルが販売されました。一覧を以下に記載します。
魔導物語シリーズタイトル一覧
タイトル | 対象機器/発売年 | リンク |
魔導物語1-2-3 | PC/1990年 | 2015年3月より1-2-3&A・R・Sの復活版発売開始↓ |
魔導物語I 3つの魔導球 | ゲームギア/1993年 | |
魔導物語A・R・S | PC/1993年 | - |
魔導物語II 〜アルル16才〜 | ゲームギア/1993年 | |
魔導物語 道草異聞 | PC/1994年 | - |
魔導物語III 究極女王様 | ゲームギア/1994年 | |
魔導物語A ドキドキばけ〜しょん | ゲームギア/1995年 | |
魔導物語 はなまる大幼稚園児 | スーパーファミコン/1996年 | |
魔導物語 はちゃめちゃ期末試験 | PC/1996年 | ‐ |
魔導物語I 炎の卒園児 | PCエンジン/1997年 | |
魔導物語 魔導師の塔 | PC/1997年 | ‐ |
セガサターン版 魔導物語 | セガサターン/1998年 | ‐ |
聖魔導物語 | PSVita/2013年 |
・魔導物語1-2-3 ゲーム画面
・魔導物語 はなまる大幼稚園児 ゲーム画面
・セガサターン版 魔導物語 ゲーム画面
・聖魔導物語 ゲーム画面
ご覧の通り、タイトル毎で作品の雰囲気やゲームシステムなどはかなり変わります。ただ世界設定や登場人物、ゆるーいノリは基本的にどのタイトルも同じです。(聖魔導物語はやや異なる)
また現在魔導物語シリーズはどれもプレミアが付いているため価格は中古でも高くなっています。
まとめ
この様にぷよぷよシリーズは魔導物語のルーツを受け継いだパズルゲームです。魔導物語の独特の雰囲気は特に魔導物語本編を知らなくても何とも言えない面白味があります。ぷよぷよシリーズは単にゲーム性だけでなく、この魔導物語の要素が交じっていたのもヒットした要因となっているのではないでしょうか。また魔導物語の方を一度プレイしてみると、ぷよぷよシリーズもより楽しめるかもしれません。
なお長くなってしまった為、ぷよぷよシリーズ本体の魅力については以下の記事で紹介します。
その2、ぷよぷよシリーズについての紹介
>>パズルゲーム「ぷよぷよ」の歴史その2~ぷよぷよ各タイトルの魅力紹介~
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これGB版とSSの風来のシレン風の魔導が載ってないな