記事公開日:2019年5月14日
最終更新日:2020年5月2日

日本映画(邦画)

時をかける少女~未来のミライまで、細田守監督のアニメ映画計5作一覧、特徴とおすすめ評価比較 ※ネタバレなし

『サマーウォーズ』、 『おおかみこどもの雨と雪』など、アニメ映画のヒット作を次々と生み出している、細田守監督。

本記事では細田守監督の映画が気になっている方に向け、それぞれの作品の大まかな特徴、見どころ、おすすめポイントについて比較しながら紹介していきます。

※本編の直接的なネタバレはしません。大枠の見どころを解説するのみ。

細田守作品一覧&この監督の映画の特徴について

細田守監督が手掛けた長編アニメーション映画は、以下計6作品。

作品名公開年
ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島2005年
時をかける少女2006年
サマーウォーズ2009年
おおかみこどもの雨と雪2012年
バケモノの子2015年
未来のミライ2018年

ONE PIECEに限ってはオリジナル作品ではないため、本記事では『時をかける少女』~『未来のミライ』まで計5作の細田守監督作品の紹介をしていきます。


細田守映画の特徴について

細田守監督の作品は、タイムトラベルやパラレルワールドのSF要素、オオカミ人間やバケモノ人間などのファンタジー要素が含まれています。

けれど、中身は家族の絆、親子愛など、人と人との絆を描いているパターンが多め。”ガワ”は奇想天外なものを題材としていますが、”中身”は本質的なことを描きにいくスタイルが多めです。

また物語の転調が大きく、前半・中盤・後半でまったく違う傾向の流れになっていくのが特徴的。少々重めで暗いシーンが描かれることもありますが、最終的には爽やかでスッキリとした感動を味合わせてくれる作品が多め。

『時をかける少女』~『未来のミライ』まで計5作品の特徴・みどころ・評価

それでは細田守監督の、時をかける少女・サマーウォーズ・おおかみこどもの雨と雪・バケモノの子・未来のミライ、計5作品の特徴や見どころ、評価ついて比較していきます。


①時をかける少女

監督:細田守
脚本:奥寺佐渡子
出演者:仲里依紗石田卓也 板倉光隆 原沙知絵

『時をかける少女』は、タイムトラベル(タイムリープ)×青春を題材にした作品。といっても壮大なタイムトラベル物語ではなく、高校生の日常で起こる、小さな騒動を描いています。

細田守監督初期の作品のせいか癖が少なく、テーマがSF全開なわりには、良くも悪くもサッパリとした映画。タイムトラベルにおける「バタフライ効果」について深入りして描いてもいますが、どちらかというとSF好きよりも青春映画や恋愛映画が好きな方向け。ターゲットは10代~20代くらいでしょうかね。

一風変わった題材で爽やかな青春映画を楽しみたい方に、特におすすめです。



先の読めなさ:★★★☆☆
ワクワク感:★★★★☆
サスペンス:★☆☆☆☆
感動:★★☆☆☆
恋愛:★★★★☆
爽快感:★★★☆☆

総合:★★★☆☆

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②サマーウォーズ

監督:細田守
脚本:奥寺佐渡子
出演者:神木隆之介 桜庭ななみ 谷村美月

『サマーウォーズ』は、家族×ITネットワーク社会を題材とした映画。この作品はジャンル分けが難しく、家族・田舎・青春・SF・科学・仮想現実など、かけ離れたようなジャンルが組み合わされたエンターテイメント溢れる作品です。

外へ外へと広がっていくような作風で、 物語も一転二転三転と予想外の方向に進んでいきます。先の読めなさでは随一。 賛否両論がありますが、面白さや爽快さは抜群であり、娯楽映画を探している方にはうってつけかと。IT技術やソーシャルネットワークのネタが多く含まれるため、だいたい10代~40代程度が好みそうな内容。細田守監督シリーズの中では、特に大ヒットした作品です。

先の読めなさ:★★★★★
ワクワク感:★★★★★
サスペンス:★★☆☆☆
感動:★★★☆☆
恋愛:★☆☆☆☆
爽快感:★★★★★

総合:★★★★☆

『サマーウォーズ』のAmazon視聴ページ

③おおかみこどもの雨と雪

『おおかみこどもの雨と雪』は、家族×親子×子育て×オオカミを題材にしたような映画。一見はファンタジー色溢れたファミリー向けの映画のように思えますが、イメージとだいぶ異なります。

オオカミを題材にしていますが、細田守監督シリーズの中では、現実的、社会的な要素が強く含まれたヒューマンドラマ。どちらかと言えば大人向けの作品のように思えます。子供が観るのと、大人が観るのと、子供のいる大人が観るので、かなりに印象が変わる作品のようにも。特に子育て中のお母さんがみると印象に残るのではないかと。また一方でトトロのような爽やかな感動も味わえます。

題名やパッケージからうける印象と、見終わった後の印象が一番違う映画です。

先の読めなさ:★★★★☆
ワクワク感:★★☆☆☆
サスペンス:★★☆☆☆
感動:★★★★★
恋愛:★★★☆☆
爽快感:★★☆☆☆

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総合:★★★★★

『おおかみこどもの雨と雪』Amazon視聴ぺージ


おおかみこどもについては、個別にレビューを書きました。
https://cslbook.com/movie/10466/



④ バケモノの子

『バケモノの子 』は、 家族×親子× 子育て× バケモノのいるパラレルワールドを題材にしたような映画。

題材や作風としては、前作の『おおかみこどもの雨と雪』 と似た印象があります(※ただし題名もオオカミとバケモノで似ていますが、この2作に繋がりは全くありません)。

前作同様に、親子関係や家族の絆について描いてはいますが、切り口がかなりに違いこちらは少しコミカル。また冒険活劇的な要素もあり、アクションも満載です。

ただ、それで終わらないのが細田守映画。途中から方向性やスタイルがガラリと変わり、最後は当初思いもしなかったような感動が味わえます。この作品は老若男女問わず全世代が楽しめる作品かと。そういえば熊鉄は、日本の名刀「虎徹」に掛かっていたのかな?


先の読めなさ:★★★☆☆
ワクワク感:★★★★☆
サスペンス:★★★★☆
感動:★★★★☆
恋愛:★★★☆☆
爽快感:★★★★☆

総合:★★★★☆


『バケモノの子 』 Amazon視聴ページ

⑤未来のミライ

『未来のミライ』は、家族×子育て×タイムトラベルを題材にしたような映画。時をかける少女や、おおかみこども、ばけものの子など、これまでの細田守監督シリーズのテーマを混ぜ込んたような映画でもあります。本作がこれまでと大きく違うのは、4歳の男児くんちゃん目線で話が進むところ。

本作は、ネットなどで「つまらない」と結構に酷評されています。 私個人としては、つまらなくはなかったです。ただ自信を持って面白いとまで言えず、そもそも説明がしにくい作品です。この作品が全体で何を伝えようとしているかは何となくわかるのですが、どういう映画だったか?何が見どころか?をネタバレなしで伝えようとすると、パっと思いつくものがありません。

抽象的に本質を描こうとしている印象を受けましたが、抽象的にぼやかし過ぎているというか。説くことに力を入れ過ぎているというか。細田守監督作品の中では、少々押し付けがましい表現も感じ、見どころが説明しにくい映画です(すみません、少し批判っぽく)。

ただ、わかる人がみればわかる深い映画なのかもしれません。この作品のレビューは難しいです。ターゲットは、10代以下の子供、もしくは30代以上の子育て世代でしょうか。


先の読めなさ:★★★★☆
ワクワク感:★★★☆☆
サスペンス:★☆☆☆☆
感動:★★☆☆☆
恋愛:★☆☆☆☆
爽快感:★★☆☆☆

総合:★★☆☆☆




まとめ

以上、細田守監督アニメ映画の特徴とおすすめ評価でした。

細田守監督のアニメ映画シリーズは、ジブリ映画のような優しさや爽快さもあり、また独特の切り口で一転二転する先のよめないストーリーが展開するため、世代を越えて楽しめるシリーズではないかと思います。

この監督の作品はほんとハズレなしです(未来のミライはちょっと困惑もありますが)。気になっている方は、騙されたと思って全部観て下さい!たぶん良い時間が過ごせるかと。


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