2017年の新アニメに、なんとあの『魔法陣グルグル』の名が。
『魔法陣グルグル』は、90年代に放映されていた伝説のギャクアニメです。ここにきてなぜかこの新作シリーズがテレビアニメとして再スタートする模様。
そこで、今でも根強い人気をもつこの『魔法陣グルグル』とは一体どんな作品だったのかを、アニメ・マンガ・ゲームまで一挙特集していきます。
1.斜め上のRPGギャグアニメ『魔法陣グルグル』とは?
『魔法陣グルグル』とは、1994年~1995年にテレビ朝日系で放送されていた、当時の人気アニメ。
あらすじは、駆け出しの勇者少年「ニケ」と、最高峰だけれども奇妙でおかしな魔法「グルグル」を使う魔法少女「ククリ」がひょんなことから出会い、魔王ギリを倒すために旅をするというお話。
RPGゲーム『ドラゴンクエスト』のパロディが全面に出ているのが特徴的で、ドラクエ好きであればニヤリとするシーンが多数あります。舞台も、剣や魔法、村や城、魔物が溢れる典型的なRPGの世界。
ジャンルは、表向きは子供向けのギャクアニメ・ファンタジーアニメですが、ギャクがかなり斜め上を行っており、次元の違うブラックジョークのようなものも炸裂する「付いて来れるやつは付いて来い」的な迷作でもあります。
また時々”良いこと”を言うアニメでもあり、今の時代では薄れてきている”ピュア”な部分を感じられる爽やかで粋なシーンもたまにあるのも魅力。登場キャラクターも意味不明ながら憎めないキャラが多く、入り込めば抜け出せない世界観があります。
2.もともとは漫画が原作の『魔法陣グルグル』
『魔法陣グルグル』とは、漫画が原作のアニメです。
【ルーツとなる4コマ漫画劇場】
大元を辿ると、作者の「衛藤ヒロユキ」が『4コママンガ劇場』シリーズに掲載していたマンガが原型となっています。
衛藤ヒロユキは、『4コママンガ劇場』にて、ドラコンクエストをモチーフにしたパロディアニメを掲載していました。こちらはドラクエの登場人物やモンスターをダイレクトに出した完全パロディになりますが、絵のタッチやギャクの方向性は『魔法陣グルグル』に通じるものがあります。
↓他の漫画家とは一線を画す、独特の世界観の衛藤ヒロユキ4コマ作品
【少年ガンガンでグルグル連載スタート】
その後、『月刊少年ガンガン』にて、漫画『魔法陣グルグル』の連載がスタート。1992年~2003年まで連載され、単行本は計16巻、計1200万冊を売り上げる人気長寿マンガとなりました。この漫画をアニメ化したものがアニメ『魔法陣グルグル』となります。
↓「ドラクエ」をパロディを交えつつ、独特の笑いが展開される魔法陣グルグル。時折、ドラクエのような黒いウインドウが出現し、冷静なつっこみや解説も行われるも特徴的。(魔法陣グルグル、マンガ第1話より)
【現在は、グルグル2が連載中】
また、続編マンガ『魔法陣グルグル2』が、2012年より『ガンガンONLINE』より連載開始し、今現在も連載中となっています。
↓直系の続編となる『魔法陣グルグル2』。作者は変わらないが、絵のタッチが初期とかなり変わっている。
3.『魔法陣グルグル』アニメの歴史、新シリーズは3期目に当たる
魔法陣グルグルは、これまでに2回アニメ化され、今回2017年放送の新シリーズは3期目に当たる作品となります。
①アニメ『魔法陣グルグル』(初代)
1994年~1995年にテレビ朝日系で放送された初代のアニメ『魔法陣グルグル』。計45話。序盤は原作マンガ版の4巻程度までを描き、それ以降はアニメオリジナルのストーリーが展開されます。
絵のタッチやギャクの作風は原作を忠実に再現しており、今も評価の高いシリーズ。
②アニメ『ドキドキ♡伝説 魔法陣グルグル』(第2期)
2000年にテレビ東京系で放送されたアニメの第2弾。計28話。
原作マンガ版の5~11巻程度までを描いており、初代の後半で描かれたオリジナルストーリーは無かった事として扱われています。
このシリーズは絵のタッチがややデフォルメされており、世界観的にもやや子供向けで可愛らしい雰囲気になっているのが特徴的。ニケやジュジュなど一部の声優陣も初代から変更されています。
③新アニメ『魔法陣グルグル』(第3期)
魔法陣グルグル25周年を記念して、今年2017年夏より放送開始する新シリーズ。テレビ東京系で放送予定。
原作マンガ版の第1話からを再び描く、リメイク的な作品になるようです。制作陣や声優陣は一新。
予告編PVを見る限りでは、マンガ版の絵のタッチを忠実に再現しており、初代よりも更にオリジナルに近い作品となると予想されます。
↓2017年新アニメ『魔法陣グルグル』の予告編PV
4.名曲の多い『魔法陣グルグル』
『魔法陣グルグル』のOP、EDで使われた曲はどれも人気がかなり高いです。
特に初代のエンディング曲として使われた奥井亜紀 の『Wind Climbing 〜風にあそばれて〜』は、「大人になってから意味が分かる名曲」、「今聞くと改めて良いと感じる曲」として、ネット上で持ち上げられています。
ニコ動の「歌ってみた」などでも、今もなお数々アップロードされる人気曲。
↓「大人になってから聞くとより良く感じる」と話題の初代エンディング曲『Wind Climbing 〜風にあそばれて〜』
↓こちらは初代オープンニング曲『MAGIC OF LOVE』
5.『魔法陣グルグル』のゲーム作品の歴史
1995年~2000年にかけて、いくつか『魔法陣グルグル』はゲーム化されています。
①スーパーファミコン『魔法陣グルグル』
1995年にエニックスから発売されたスーパファミコン用ソフト。
ダンジョン探索型のRPGで、原作を元としたオリジナルストーリーが展開される。
ニケは自動で動き、ククリの方を動かすという独特のシステムであったため、当時は不評だったものの、その分プレミア化している。
②スーパーファミコン『魔法陣グルグル2』
1996年にエニックスから発売されたスーパファミコン用ソフト。前述した作品の続編。
今作もククリ側を動かすことには変わりないが、前作よりも戦闘システムがアクションRPG寄りになり、取っつきやすくなっている。
また、原作を忠実に再現したストーリーとなっており、原作世界をゲーム内で楽しめる。ただし後半はオリジナルストーリーとなる。
③ゲームボーイ『魔法陣グルグル 〜勇者とククリの大冒険〜』
1995年にタカラから発売されたゲームボーイ用ソフト。
タカラらしいミニゲーム集となっているが、簡易RPGのような造りにもなっており、原作を忠実に再現したストーリーが展開される。
バランスの良い仕上がりで、ファンが喜ぶ要素も多数盛り込まれてるため、ゲームボーイソフトながら人気の高い作品。「グルグルのゲームの中では一番」という声も。
④ゲームボーイカラー『ドキドキ♡伝説 魔法陣グルグル』
2000年にエニックスから発売されたゲームボーイカラー用ソフト。
こちらも原作再現のソフトだが、アニメ『ドキドキ♡伝説 魔法陣グルグル』同様に原作マンガ5巻のシュギ村からのスタートとなる。
ジャンルはアクションRPGとなり、取っつきやすいが、かなり簡単なため攻略的な楽しみは余りない。ストーリーを楽しみたいファン向け。
5.意味の分からないグルグルワールド
最後に、『魔法陣グルグル』の魅力と言えば、意味の分からなさに尽きるかと思います。
「あなたたちは何をやっているの!」、「どうしてそうなるの!」が尽きない世界観で、本ストーリーそっちのけで、読者を惑わさせます。
だけれども、例えば同じく似た系統の少年漫画『ボーボボボーボボ』のように完全に読者を置いてけぼりにするのではなく、ほどよく笑いを交えてバランスを取っているのも面白いところ。
特に、単行本①~⑩巻程度の前半のグルグルワールドは神がかっていると思います。
まとめ
この記事を書く上で、『魔法陣グルグル』について今一度調べてみましたが、どうやら25周年を迎える今でも、かなり根強い人気を誇っている漫画・アニメなようです。
今回の新アニメ化で、またグルグルが再ブームになれば面白いですね。期待です。
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