記事公開日:2015年12月21日
最終更新日:2016年8月13日

ビジネス

来年は経済がヤバイ?東芝崩壊から見るアベノミクス

2015年12現在、日本の電器業界しいては日本経済を支えてきた「東芝」が粉飾決算を経て、赤字5500億円、7800人リストラの事態に追い込まれています。
この問題、一見東芝だけの騒動に思えますが、実際はアベノミクスそのものを現したものではないでしょうか。

 

 

アベノミクスはもうおしまい?東芝はなぜ墜落したか

東芝は2015年7月に粉飾決算事件が起き、その後株価低迷、業績悪化に拍車がかかり今回の赤字騒動を迎えています。ただ粉飾決算事件が根本的な引き金ではなく、もともと業績低迷は続いていました。家電はもとより主力であった半導体や液晶テレビ、パソコンなどの業績低迷も続いています。それらが粉飾決算を起こさせ、結果的に今回の赤字騒動に結びついたのかと思われます。

さて注目したいのはなぜ東芝がここまで業績が落ちているのか。やはり電化製品などの激しい値下げ競争により利益が追いついていないという理由もあるでしょう。ただ根底にあるのは、実際は景気が上向いておらず、人々がそもそもモノを買っていないという事なのではないでしょうか。

 

東芝は氷山の一角かもしれない

2012年頃より続いてきたアベノミクス。日経平均はアベノミクス当初の8000円~9000円代から現在は一時期2万円台にものぼる、約2倍以上の急成長を達成しました。最近は日々「景気は上向いている」、「賃金が上昇している」というあたかも将来が明るいかの様なニュースが絶えません。ですが果たして本当に景気は上向いているのでしょうか。

2015年10月のJNN世論調査でも約86%の人が「景気回復に実感なし」と回答が出ています。多くの人が感じている通り、このアベノミクスは実態の無いものだと思われます。

円安や株価上昇の恩恵により、トヨタ自動車など一部の企業の業績があくまで決算の数値上上昇していいますが、それは結局表面的なものでしかなく、一部の企業の内部資金が潤っているだけで、実際の一般庶民の家計は全く上向いていないのが現状でしょう。

その表れが今回の東芝騒動にも関係しているかと思います。景気が本当に上向いているのであれば、電化製品などの贅沢品の需要は嫌でも伸びてきます。それが現実は電化製品の第一線を走っている東芝がこの状況です。東芝は他にも原発事業なども厳しい状況が続いていますが、たとえそれでもここまで業績が悪化するのは景気が上向いておらず需要が追いついていない事の表れと言えそうです。

また東芝のほかにもソニー、シャープといった他の電器メーカーなども表面化していないだけで実際は粉飾決算まがいの事をしているのかもしれません。東芝が氷山の一角である事はおおいに考えられます。

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アベノミクスは限界間近?

とはいうもののニュースや新聞では、連日の様に「順調に景気回復している」、「就職率、失業率回復」、「各種指数何%アップ」といったまるで先行きが明るいかのニュースが絶えません。まるで世間を置いて行くかの様に。

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これはおそらくですが、印象操作の一環かと思われます。「何が何でも景気を上向かせる必要がある」、そんな状況に陥っていること裏返しの様に感じます。

もしここで経済が上向いていない事が浮き彫りになり、株価や為替が下落したらどうなるでしょうか。国は現在、厚生年金と国民年金合計で約137兆円(2014年度末時点)という額を株式や債券などハイリスクな金融商品で運用しています。他にもアベノミクスで得た資金を大量に投資に回しているかと思います。
そんな中、もしここで日経平均がアベノミクス当初に戻るような下落が起きたら、日本経済は崩壊するでしょう。日経平均1万5000円程度でも大打撃は免れないかと思います。

つまりもう止まれないのだと思います。なんとしても景気上向きを現実にし、株価や為替を維持しないと全てが終わる。また年金をハイリスクに運用している時点でもはやこれが最後の賭けとなっていた様に感じられます。国債などのいわゆる”日本の借金”と呼ばれるものは1000兆円を超えており、ここでなんとかアベノミクスを成功させないと後がなく、国のあげての大博打をしかけているのが今現在の実情かと思われます。貧困に苦しむ人が株式投資に夢を見て勝負を仕掛けるように。

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アベノミクスは今後どうなるのか

日本の景気は上向いて欲しいですが、個人的にアベノミクスは近いうちに一端崩壊する気がします。つい先日8月には日経平均は数日で3000円程度落ちる事態に追い込まれましたし、為替の方も8月に円ドル、豪ドルを始めとするあらゆる通過レートで近年稀に見る短期大暴落が起きました。

今現在はもち返してきていますが、明らかに不自然とも思えるリカバリであり、不安定な状況が続いています。おそらく政府系ファンドなどが買い支えをしているのかと思いますが、本当に景気が追いついていないのであれば、長くは続かないでしょう。アベノミクスによる上昇が著しかった分、一度息切れすれば今年8月の様に一瞬で崩れ落ちる脆い状況にあるかと思います。

チャート的にもここから再度もち返す見込みが余り感じられないため、一度大きく日経平均株価、為替は落ちるのではないでしょうか。そこであくまで調整レベルで済めば良いのですが、大きく下にブレイクしたら、アベノミクスが根底から崩れるような気がします。いずれにせよ近いうちに日経平均株価、為替にまた大きな動きが訪れる事は強く感じます。

まとめ

今回の東芝騒動は景気が上向いていない事の表れで、また今後の日本の経済・景気はアベノミクスの根幹とも言える株価・為替に掛かっているかと思います。来年は良くも悪くも一騒動ありそうなので、投資をしているしていないに限らず株価・為替には要注目の年となるかもしれません。

 

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