もともと東芝REGZAのユーザーでしたが、この度中身のパーツや技術をREGZAと共有し、それでいて価格の安い「ハイセンス(Hisense)」の液晶テレビに買い替えました。
購入したのは、ハイセンスの4Kテレビの中ではちょうど中間ランクの「43E6800」。東芝REGZAの「43M540X」あたりと兄弟になるモデルですね。
実際に使用した上でのレビューを書いていきます。
「43E6800」商品スペック詳細
まず、今回購入した「43E6800」の詳細について。
※特に注目したい点は黒字で強調。
商品名・型番 | 43E6800 |
メーカー | ハイセンス |
価格 | オープン価格(5万円前後) |
画素数 | 3840×2160(4K) |
本体寸法(幅×高さ×奥行) |
95.9×60.1×18.6cm(スタンド含む) |
画面サイズ | 43インチ |
パネル形式 | VA / RGB |
壁掛け | 壁掛け可能 |
バックライト | 直下型 |
HDR対応 | HDR10 & HLG |
エンジン | NEOエンジン |
倍速対応 | 60Hz |
応答速度 | 8ms |
消費電力 | 120W |
年間消費電力 | 83kWh |
省エネ基準達成率 | 204% |
待機電力 | 0.5W |
ゲームモード | 対応、低遅延ゲームモードで最小遅延約0.83ms |
音響機能 | DOLBY AUDIO Hi-Sound Pro ダイレクトサウンド サウンドノイズ軽減技術 |
チューナー | BS 4K/110度CS 4K×1 地上デジタル×3 BS・110度CSデジタル×3 |
無線LAN | IEEE802.11ac/a/b/g |
動画メディア | Netflix/Youtube/U-NEXT/dTV/ひかりTV 4K/acTVila 4K/TSUTAYA TV/スカパー! on demand/クランクイン!ビデオ/DMM.com/acTVila |
入出力端子 | HDMI入力端子×4 HDMI 4K入力対応(HDMI2.0b 18Gbps) ARC対応対応 ビデオ入力端子×1 光デジタル音声出力端子×1 ヘッドホン出力端子×1 USB2(USB2.0対応×1、USB3.0対応×1) LAN端子×1 |
高画質機能 | BS/CS 4K高画質処理 地デジ高画質処理 高精細ノイズ処理 エリア別高精細復元 テクスチャー復元 HDR再現処理 |
受賞歴 | VGP2020 コスパ大賞 VGP2020 金賞 VGP2019SUMMER 技術賞 VGP2019SUMMER 受賞 |
製品公式ページ
|
43e6800スペック詳細(ハイセンス公式) |
このように、スペックや機能は、安めの価格を考えれば至り尽くせりです。
注目点としては、東芝REGZAにも使われている「NEOエンジン」を搭載し、「高精細ノイズ処理
エリア別高精細復元」、「テクスチャー復元」、「HDR再現処理」などさまざまな画像処理技術を有していることですね。
また省エネ性能もよく、消費電力120W、年間消費電力は83kWhです。このサイズの4KテレビですとSONYやシャープなどでは年間消費電力100kWhを越えるものが多いですが、ハイセンスと東芝のテレビはかなり電力面で優秀です。
ほかにも、低遅延ゲームモード、DOLBY AUDIO、無線LAN機能など、5万円前後で購入できる4Kテレビとしては、かなりに多機能。
壁掛けもできるように、テレビ側面に、USB端子、HDMI端子×4、アンテナ端子、イヤフォン端子が備えられている。
わたしがこのテレビに決めた経緯
私はゲーマーでして、レースゲームや格闘ゲームのような素早い操作のゲームをする際の画面の「遅延」がどうしても気になります。
現状、遅延の少ないテレビとなると東芝REGZAかハイセンスの2択になってきます(SONYやLGなども低遅延テレビを作っていますがハイエンドモデルが多く手が出しにくかった泣)
これまではREGZAの32型テレビ「32S20」をつかっており、次の買い替えはREGZAの43型4Kテレビである「43M540X」を考えていましたが、その兄弟機ともいえるハイセンスのこの「43E6800」を発見しました。
ハイセンスは中国のメーカーです。ですが東芝REGZAシリーズを作っている「東芝映像ソリューション」を子会社化しており、技術やパーツを共有している部分が多く、よく「中身は東芝、ほとんど一緒」ともいわれます。
実際にスペックを調べてみても、システムや機能などはほとんど変わらず、それでいて価格が2~3万円も安い。
REGZA「43M540X」はAmazonで6万5000円が相場ですが、ハイセンス「43E6800」はブラックフライデーセールでなんと4万5000円弱でした。
ハイセンスを使うのは初めてでしたが、これは買いだろうと即決し、購入に至りました。
画面は美麗、しかし角度によって黄ばんでみえる
「43E6800」は、液晶画面にVAパネルを採用しています。
VAパネルというのは、「黒色」の表現に優れたパネルです。
実際そのとおりで、地デジ番組でもはっきりと自然に写り、黒の引き締まった画像が楽しめます。
これまで使っていた32型テレビ(32S20)はIPSパネルでして、IPSパネルに比べると全体的な鮮やかさではやや劣ります。
ただしその分、コントラストの表現がVAパネルのほうが上であり、品が高く、質感のある映像を楽しめています。
それこそBS放送や4K放送になるともう現実がそこに広がっているようです。
PS4のおなじゲームをしていても、3840×2160の4K画素数のため、綺麗に出力されているように感じます(PS4 -proの4K出力でなく、通常のHD出力でも)
ただし、VAパネルの弱点として、「角度」に弱い。
上から見下ろしたり、下から見下ろしたりすると、色が変わり、全体的にやや黄ばんでみえる感じがします(角度変えると解消するので、尿液晶やパネルの故障などではなく、VAパネル本来の仕様ぽいです)。
また、たとえ真正面から正しいポジションで観たとしても、画面が43インチと大きいことで、左右の端はどうしても視覚に角度が付くので、端や隅のほうが白っぽくみえることがあるのが難点。
とはいえ角度の問題は、バックライトの明るさを上げることで、ある程度は解消できます。
明度の高い「ダイナミック」や「スポーツ」モードにしたり、もしくは設定でバックライトの明るさレベルを上げていけば、角度が付いても色のムラはあまり気にならなくなります。
それこそ明るさレベル100maxにすればまぶしいくらい明るく、色もクリアで、黄ばみなどはほとんど感じなくなります。
音質も最高、ただしイヤホンだとノイズがする
音響についても、「DOLBY AUDIO」、「Hi-Sound Pro」、」「ダイレクトサウンド」、「サウンドノイズ軽減技術」など、さまざな技術が投入されているため、かなりいいです。
まるでホームシアターサウンドシステムを買ったかのように、部屋全体にクリアなサウンドが響きわたり、重低音などもしっかりと出ており迫力も十分。
ただし問題なのは、イヤホンで聴いた場合です。
イヤホンできくと「ザー」という小さな雑音ノイズが常に流れています。音量を20レベルくらいまで上げれば気にならなくはなりますが、20レベル以下だと耳鳴りのようにずっと流れているので使い物になりません。
初期不良かとも思いましたが、ネット上では同様の声がたくさんあり、どうやらハイセンスのような安いテレビではよくあるイヤホン端子の「仕様」とのこと。
この問題については、次のような方法で解消できるようです。
<ハイセンステレビのイヤホン端子の雑音を消す方法>
・インピーダンスの高いイヤホンを使う
・延長コードなどを間に挟み、イヤホンのコードを長くする
・ボリュームコントローラーのあるイヤホンを使う
ちなみに私は、家にあったボリュームコントローラー付きのTV用イヤホンを使うことで改善できました。
ボリュームコントローラーの音量レベルを最小に落とすことで、ザーのノイズは消すことができます。ただしその分音量が小さくなるので、TV側の音量レベルを本来より上げ、バランスをとることになります。
追記
※雑音を消す方法については、以下の記事で詳しくまとめました。
ハイセンス等の安いテレビのイヤホン雑音(ホワイトノイズ)を消す4つの対処法
低遅延ゲームモードにより、画面遅延はほぼ感じない
続いてゲーマーには気になる「遅延」について。
「43E6800」の低遅延ゲームモードの最小遅延(応答速度)は約0.83msです。0.83msというのはゲーミングモニターにも匹敵する優秀な値です。1ms=1/1000秒であるため、数値上、遅延はほぼ無いものといえます。
反応を試すため、PC画面をテレビに映すと、「スタンダート」モードでは、ワンテンポマウスカーソルに遅れを感じます。
一方映像モードを「ゲーム」にすると、0.83msの低遅延モードとなり、一気に遅延が改善し、マウス操作の違和感が消えます。明らかな差があるので購入後に試してみてください。
VAパネルというのはもともと遅延に弱いパネルですが、搭載された技術によりほぼゼロまで落としています。これはすごいことかと。
実際にゲームをプレイしてみても、遅延はまったく感じとることができませんでした。以下、長年プレイしてるタイミングのシビアなゲームでのプレイフィールです。
『グランツーリスモSport(PS4)』・・・タイム影響なし(ランキング入りのタイムを出せる)、オンラインのスレスレの接近戦でも影響なし
『ファイナルファンタジー14(PS4)』・・・レイドコンテンツ(零式)でのギリギリでのスイッチ、AOE避け、バフ炊きなど、影響なし
FF14に関しては、PS4だけでなくPC版もゲーミングPCでプレイしていますが、ゲーミングPCの低遅延モニターと比較した場合でもほぼ変わりないプレイフィールです。
インターネット接続、動画鑑賞も優秀
「43E6800」には無線LANが内蔵されており、IEEE802.11ac/a/b/gでインターネット通信が行えます。自宅のWiFiルーターと接続設定をすれば、家の中のどこでも無線通信が可能。
無線LAN機能は、メーカーや商品によって差が大きい部分でもあり、酷い製品だと途中で通信がプチプチきれることもあります。
心配な部分でしたが、このテレビは通信面でも優秀でした。
我が家は1階にルーター、2階にこのテレビを設置してますが、正常に通信が行えています。通信が切れたことはいまのところ一度もありません。
速度面でも問題なく、標準搭載されている「YouTube」で4kの動画をみてもスムーズに再生できます(ただしこの点はテレビだけでなくご自宅の回線も関係します)。
他にもNetflix、U-NEXT、dTV、ひかりTV 4K、acTVila 4K、TSUTAYA TV、スカパー! on demand、クランクイン!ビデオ、DMM.com、acTVilaなど豊富な動画メディアのアプリが標準搭載されています。
ただし、インターネットブラウザは搭載されておらず、ネット検索などは行えません。
電源起動、システム起動が遅い
気になった部分としては、このテレビは電源起動が少々遅めです。
電源ONボタンをおして画面がつくまで2~3秒かかります。以前つかっていたREGZAは1秒以内にパッとついたのですが、それに比べるとワンテンポ遅さを感じます。ちなみに消す時はすぐ消えます。
同様に、メニューボタンを押して各種設定画面を起動する際にも、1~2秒待ちがあります。色々システムやアプリケーションの入ったテレビなので、CPUが大変なのかもしれませんね。
まあ頻繁にONOFFするものでもないので不便さを感じる程ではありませんが、意識すると気になる部分ではあります。
総評:低価格メーカーとあなどれない高品質、コスパ最高のテレビ
当初ハイセンスに対しては中国の低価格メーカーということで抵抗や警戒心がありました。それをいい意味で裏切ってくれた感じです。
実際に使った上で、これは東芝REGZAと同等レベルの品質とみていいかと。梱包や説明書など細かな部分も丁寧に作られており、国内のサポート体制も整っているので、国産か国産でないかはもうあまり関係ないんじゃないかと思わされました。
上でも書いたイヤホン端子など、細かな部分でローコストにしている部分も見られますが、映像をみたり、音をきいたり、インターネット通信をするなど、テレビとしての根本的な部分はもうREGZAに近い水準だと感じます。
それでいて、REGZAより2~3万円は安くなるので、コスパを考えればハイセンスの方が賢い買い物のような気がします。
ベタ褒めしてますが、嘘なくハイセンスはいいメーカーだと思いました。
その証として、実際にこの43型を買った2週間後に、PCモニター用としてハイセンスの32型テレビ(32N20)も買いました。
こちらがそのレビュー。
ハイセンス32型スマートテレビ「32N20」購入評価レビュー、動画再生やスマホ連動もあって便利
それくらいハイセンスに大満足しており、気に入ました。
あとは故障さえなく何年もしっかり持ってくれれば言う事なしですね。故障などが発生した場合は追記しておきます。
商品ページ
今回紹介した「43E6800」のAmazonでの販売ページはこちらになります。
ハイセンス 43V型 4Kチューナー内蔵 液晶テレビ 43E6800 ネット動画対応 3年保証
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