記事公開日:2018年1月7日
最終更新日:2020年5月3日

ちょっと怖い・不思議系

【ミステリー不思議】未だ解読されない謎の書物『ヴォイニッチ手稿』とは、解説&考察

UFO、心霊現象・古代文明など、世の中には説明のつかない謎ミステリーが多い。ただしそれらは実在しているかさえ不明確なので、オカルトの域を出ない。

しかし、実際に実在し、その上で未だ解明・解読されない謎の物がある。
それが『ヴォイニッチ手稿』。

至上最大のミステリー写本とも呼ばれるヴォイニッチ手稿について特集していく。

1.今だ解読されない謎の書物『ヴォイニッチ手稿』とは?

『ヴォイニッチ手稿』とは、1912年にイタリアで発見された謎の書物。

具体的な特徴としては、以下の通り。

・約240ページの羊皮紙からなる書物。
・アリゾナ大学による放射性炭素年代測定により、使われた羊皮紙は、1404年~1438年と推定。(ただし中身が書かれたのはそれ以後とも言われる。)
実在しない謎の言語で書かれている。
実在しない「植物」の挿絵が無数に描かれている。
・その他にも、「緑色の液体に使った女性」、「天体図らしきもの」など謎の挿絵が描かれる。
・名前の由来は発見者であるウィルフリッド・ヴォイニッチ氏から。ヴォイニッチ氏は1912年のイタリアでこの書物を発見する。

ヴォイニッチ手稿は世に出て以来、世界各国の考古学者や暗号解読チームが解読を試みているが、未だ読めた人はいない。(2018年時点)
「世界で最もミステリアスな奇書」ともいわれ、現在も引き続き解読や研究が行われている。

↓歴史上をみても実在しない文字を使い、膨大な量で書かれたヴォイニッチ手稿。

↓実在しない謎の植物の挿絵が無数に描かれている。

↓管で繋がる緑色の浴槽?に浸かる女性。

↓こういった謎の挿絵も。

↓天体図?のようなものも描かれている。

画像出典:Yale University

 

2.『ヴォイニッチ手稿』には何が書かれているのか?様々な解釈や仮説

ヴォイニッチ手稿はこれまで数多くの研究が行われ、様々な解釈や仮説が立てられている。

しかし、いずれも確たる裏付けはなく、推測レベルである。
今現在、内容は解明、解読されていない。(2018年1月時点)

仮説の域を出ないが、現在上がっている説をいくつか紹介していく。

 

①でたらめな書物である

まず、「意味ありげで実は意味はなく、でたらめに作った書物である」という説がある。

この切り口で有力とされていたのは「エドワード・ケリー」という錬金術師が、当時錬金術に関心を持っていたルドルフ2世から金銭を巻き上げるため、でたらめの錬金術書として偽造したという説。

しかし最新の研究によれば、言語学の統計的手法で解析したところ、でたらめではなく規則的に作られた「自然言語」か「人工言語」によるものと確認されており、この説は弱くなっている。

 

②薬学書である

作者をイングランドの学者「ロジャー・ベーコン」とする説もある。

植物や入浴の挿絵から薬学について書いたものであり、ロジャー・ベーコンが当時宗教的迫害を受けていたこの手の内容を、暗号化した上で世に出したのではないかと言う説。

しかし、あくまで挿絵から推測したものであり、また挿絵には植物だけでなく天体を模した絵もあるため、この説にも疑わしい部分もある。

 

③医学書である

直近2017年に、イギリスの歴史学者「ニコラス・ギブズ」がヴォイニッチ手稿の解読に成功したと表明し話題になった。英国圏の権威ある文学誌「TLS(The Times Literary Supplement)」でも大々的に取り上げられた。

ギブズ氏は、ヴォイニッチ手稿の文字とラテン語の略称文字とを照らし合わせ、かつ描かれている挿絵から、当時の”医学書”の一種であると表明。

しかし、これもあくまで独自ルールで解読しただけであり、信憑性に欠ける部分がある。実際にこの説には様々な反論も寄せられている。

 

ねとらぼ:解読不能の奇書「ヴォイニッチ手稿」、ついに解読!? 懐疑的な意見も続々
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1709/14/news093.html

 

 

④その他の諸説

その他にも、様々な説が挙げられている。

・子供などが個人的に書いた、何の意味もない空想本のようなものである。
・植物図鑑であり、それを暗号化したもの。
・天体図鑑であり、それを暗号化したもの。

これらについても、確たる裏付けはなく推測の範囲である。

 

3.オカルト的な解釈

『ヴォイニッチ手稿』は不可解な点が多いため、ミステリー謎のオカルトネタとして、これまでもネット上などで度々話題になってきた。

・人体創造、生命創造に関わる恐ろしい未知の技術が書かれている。
・植物が生態系を支配している、その真実が書かれている。
・植物が支配するパラレルワールド(並行世界)が別にあり、その世界から持ち込まれた内容。
・宇宙や天体に関する、知ってはいけない謎が書かれている。
・大半の内容はフェイクで特に意味はないが、一部だけ理解してはいけない怖い内容が書かれた、危険なページがある。

などなど、
オカルト分野では、「想像を絶する内容が書かれた書物ではないか」という方向性で空想されている。

 

下記は、2011年に2ちゃんねるのオカルト版上に掛かれ、話題になったヴォイニッチ手稿に関する有名なスレッド。

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【オカ板版】「記憶が2つあるんだが」 謎に包まれたヴォイニッチ手稿が読める男の話
http://world-fusigi.net/archives/4300708.html

 

この「記憶が二つあるんだが」では、現実世界ともう一つの植物世界、二つの世界で19歳まで過ごしたという人の体験が語られている。

最後に釣り宣言(ネタであるという宣言)はしているが、話の構成的に不可解な部分が多く、その後も注目され続けている。

 

 

4.発見者であるウィルフリッド・ヴォイニッチ氏の謎の考察

『ヴォイニッチ手稿』は、発見者であるウィルフリッド・ヴォイニッチ氏から名前がとられている。古本収集家のヴォイニッチ氏が、1912年にイタリアでこの本を発見し、ヴォイニッチ手稿と名付けられた。

さて、このヴォイニッチ氏には少々不可解な謎が残る。

彼がもともと古本収集家でありこの本を発見したのであれば、特に違和感は無く自然である。しかし彼は、もともとはポーランドの革命家である。元貴族でありながら革命家になり、国家と衝突し、流刑にも処され、のちのち偽名を使うなど波乱万象な人生を歩んでいる。

その後、同士の死をきっかけに革命家から身を引き、古本愛好家に転身し、晩年を過ごす。その際にヴォイニッチ手稿をイタリアで発見し、現在は革命家+ヴォイニッチ手稿発見者として名を語り継がれる。

さて、この革命家→古本愛好家に転身し、その上でこの本を発見したというのが少々不自然さを感じる。もともと本が好きだったのかもしれないが。

発見者であれば、自分が書いたものを”発見した”と言い切ることもできる。

ヴォイニッチ手稿は作者も含めて解明されていないが、もしかするとヴォイニッチ氏本人がこの手稿を書き上げ、あたかも発見したかのように名乗った可能性も考えられる。

ヴォイニッチ手稿を世に知れ渡らせるため、敢えて古本愛好家に転身し、その上で「発見した」と仕組んだ線もありえるのではないかと。

ただし、そうなるとなぜ誰にも読めない書物で、植物や天体などの謎の内容が書かれているのかが逆に不可解になる。単純に「奇怪な書物を発見した人」で名を残したかったかもしれないが。

 

5.ヴォイニッチ手稿の個人的な考察

最後に、ヴォイニッチ手稿に対しての私の個人的な考察・解釈について。
私はもちろんヴォイニッチ手稿は読めるわけではないので、内容はわからない。その上で考察する。

その1:内容はでたらめでなく意味があるはず

まず、この本はでたらめに書かれた本や偽造本ではなく、何かしらの意味があるものだと考える。

見て貰えばわかる通り、この本は240ページ以上にも及ぶ膨大な量の文字で書かれている。また専門家の研究でも、言語学の統計的手法から一定の規則性があることが確認されている。つまり、書き上げるのに膨大な手間が掛かっていることになる。

仮に金銭目的の奇怪な書として偽造したのだとすると、誰にも注目されず売れずに埋もれるリスクだってあったはず。そのリスクを負ってまで膨大な手間をかけ、でたらめな偽造本を作ったとは考えにくい。
金銭や商売目的のような理由ではなく、何かしら意味があり、伝えるべき内容があり、書き上げられたものではないかと。それが1点目。

 

その2:”植物”の力ではないか

それともう一点、中身について。
ヴォイニッチ手稿の中身は、植物の力について書かれているのではないかと考える。

植物というのは、生命の樹(セフィロトの樹)、ユグドラシルなど「旧約聖書」や「西欧神話」などに伝承にも度々登場し、語り継がれているもの。

科学的には、近年植物や木から採れる「セルロースナノファイバー(CNF)」が鉄の5倍以上の硬さを持ち次世代素材として注目されているなど、植物の未知の力が次第に明らかになってきている。

METI/経済産業省:鉄より強い? 木の繊維!
http://www.meti.go.jp/main/60sec/2015/20151124001.html

また植物の中には、肥料なしで水と日光だけで育つ植物もある。水と光だけで、葉や茎が作られる。よくよく考えるとこれは驚くべき力だ。
さらに言えば、植物がないと人は酸素を得られず、食物も得られない。事実上生態系のトップともいえる。

そのように植物には未知な部分や謎の部分が多い。

ヴォイニッチ手稿は、そういった植物の力や可能性について書かれたものではないかと期待している。

↓北欧神話に登場する、世界を体現する巨大な木「ユグドラシル」。

ただ、いずれにせよなぜ暗号化して誰にも読めない書物としたのか。そこが最大の謎である。

まとめ

以上、『ヴォイニッチ手稿』についてとなります。

再度となりますが、このヴォイニッチ手稿は今現在、誰にも解読されておらず、中身は未知数です。

とてつもない内容が書かれているのか、あるいは単なる図鑑のようなものなのか、いつかそれが判明する時がくるのでしょうか。

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