車好きやアニメ好きから、未だ根強い人気を得ているアニメ「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」。私は車好きで、これまで車アニメ・レースアニメ・車映画というのは数多く見てきましたが、今現在もサイバーフォーミュラを超える車系の映像作品は一つもありません。
そんなアニメ「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」の魅力を改めてご紹介していきます。
新世紀GPXサイバーフォーミュラ 作品概要
題名:新世紀GPXサイバーフォーミュラ
ジャンル:近未来レースアニメ
監督:福田己津央
製作:サンライズ
製作年:1991年~2000年
シリーズタイトル:
新世紀GPXサイバーフォーミュラ全37話(TVシリーズ、1991年放送)
新世紀GPXサイバーフォーミュラ11(OVAシリーズ、1992年~1993年発売)
新世紀GPXサイバーフォーミュラZERO(OVAシリーズ、1994年~1995年発売)
新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA(OVAシリーズ、1996年~1997年発売)
新世紀GPXサイバーフォーミュラSIN(OVAシリーズ、1998年~2000年発売)
↓TVシリーズのダイジェスト動画 ※注意:壮大にネタバレ含みます
あらすじ
従来のF1やインディカーレースの更に上をいく、新たなハイエンドレースカテゴリ「サイバーフォーミュラ」が設立された2015年の”近未来”が舞台(既に今現在となってしまいましたが)。
主人公である14歳の少年風見ハヤトは、マシン開発者である父親が製作したレースカー「アスラーダ」の輸送を手伝っていたところ、トラブルによりアスラーダの唯一のドライバーとしてシステムに登録されてしまう。
やむなく代理ドライバーとして予選グランプリに出場した風見ハヤトであったが、見事グランプリを通過。その後、「第10回サイバーフォーミュラ世界グランプリ」に出場する事となった風見ハヤトと、そのチームメンバー達の、チャンピオンシップ獲得に向けた白熱したドラマを描く。
サイバーフォーミュラとは
“サイバーフォーミュラ”とは、その名の通り電脳(サイバー)によって管理されたフォーミュラーカーを指します。「サイバーシステム」と呼ばれる対話型音声ナビゲーションを搭載したレースマシンとなり、ラリーのコ・ドライバーの様に対話しながらレースをアシストしてくれます。(アスラーダと後に登場するオーガは人口知能AIも装備。)
またサイバーシステムはナビゲーションだけでなく、マシンのあらゆる箇所を電子管理。エンジンレスポンス・ミッション比・空力抵抗を常時監視し、走行中の数値変更までをも行います。
スペックは、水素エンジンを積み、アニメ初期に登場する車両でも、最高馬力は1000ps以上/車重は800kg以下/最高速は平均で400km/hオーバー/となり、F1の更に1歩2歩先をいくハイスペックっぷりになっています。
加えて、一時的な急加速が出来る「ブースト機能」(最高速は500km/hを軽く超える)、路面やサーキットレイアウトに合わせた「ボディの変形機能」、車を中に宙に浮かせるほどの強力なダウンフォースを発生させる「エフェクトファン」などのぶっ飛んだ近未来装備が満載で、これらもサイバーフォーミュラのレースを盛り上げます。
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とにかく熱いストーリー
このサイバーフォーミュラの魅力というのは、まずとにかく熱いストーリー。スポコン物の王道とも呼べる様な話で、友情・葛藤・苦悩・恋愛も少々入り混じった、笑いあり、涙ありの白熱して熱いレースドラマが展開されます。
よくも悪くも王道で、ご都合的な展開というのも多々ありますが、それがある意味サイバーフォーミュラの魅力とも言え、今の時代ではやや煙たがられそうな”熱さ”を、嫌という程、率直に素直に描いています。映像上や音楽の演出も上手く、なかなか他のレース系作品では見られない白熱したドラマを味わえます。
レースや車系の作品ではもちろん、その他のジャンルの作品と比較してもなかなかここまで熱いの作品はありません。
一種の音楽ライブやお祭り的な熱狂っぷりがあり、車やレースが好きな人はもちろん、そうでない人であっても熱い話が好きな方であれば、一見の価値あるアニメかと思います。
魅力的な登場人物
純粋で真っ直ぐだけれども時々やさぐれる主人公の「風見ハヤト」、姉御気質だけれどロマンチストなヒロインの「菅生あすか」、将来有望だけれどもとにかくメンタルの弱い「新庄直樹」、世界的な富豪で風見ハヤトへの執着だけでレースに参戦するお坊ちゃま「カール・リヒター・フォン・ランドル」、ドラックレースから上り詰め、陽気だけど重い過去を持つ「ブリード加賀」など、とにかく癖のある濃いキャラクターが勢ぞろいします。
これだけ濃いキャラクターが多いと、普通ならこのキャラクターはうざい、いらないが出てくるのが普通ですが、サイバーフォーミュラのキャラクターは個性は違えど、誰もが真っ直ぐで、「とにかくレースに勝つ」というスタイルであるため、嫌いなキャラクターや捨てキャラクターというのがまず見当たらない珍しい作品です。
そんなキャラクター達が、もともと暑苦しい”自動車レース”をより暑苦しくしてくれます。
レースはリアルなサイバーフォーミュラ
サイバーフォーミュラは、ドラマ部分は少し過剰とも言うほど熱く、コミカルな描写やご都合展開もあるため、アニメアニメしている所もあります。ただレースという競技の面の描写は至って真面目でリアル路線です。
基本は現実のフォーミュラレースのルールに沿っており、予選・決勝の概念、オーバーテイクルールの概念、ペナルティの概念、レギュレーション設定などはしっかりと取り込まれています。
登場車種についても、外観デザインやブースト時の演出などはアニメチックですが、スペックはマシン毎に事細かく想定されており、タイヤ磨耗、エンジン磨耗などの概念もあるため、基礎となる部分は意外とリアルです。
ある程度車を知ってから改めて観てみても、レース面においては余り突っ込みどころはありません。
またサイバーフォーミュラは、数十週となるフォーミュラーレースの流れを最初から最後までしっかりと描いています。アニメである事からレースシーンというのもかなり多く、なかなかここままでフォーミュラレースをしっかりと描いた作品は珍しいです。まるで鈴鹿サーキットの様な「藤岡サーキット」、実名どおりの「サルテ・サーキット」などレース好きな方にはにやりとする描写も。おそらくこの監督や製作陣は時代的にF1が大好きだったのでしょう。
サイバーフォーミュラは、こういったアニメチックな部分とリアルチックな部分がよい具合に入り混じった作品であるため、アニメではなく実際の車やレースが好きな方でも十分楽しめる作品かと思います。
サイバーフォーミュラの各シリーズ紹介
サイバーフォーミュラはもともとTV放送アニメでしたが、その後もOVAとしてシリーズ化され現在、シリーズはこれまでに全5つ製作されています。サイバーフォーミュラはサンライズのアニメの中でも、実は「ガンダムシリーズ」に次ぐ長寿アニメ。現在もシリーズ自体は終了とはなっておらず、今後も続編が製作される可能性はあります。
さてそんなサイバーフォーミュラの各シリーズの概要や魅力を簡単にご紹介していきます。
※若干ネタバレ含みます
新世紀GPXサイバーフォーミュラ
1991年に日本テレビ系で放送されたシリーズの元祖作品。全37話。
不意なトラブルによりサイバーフォーミュラのレースドライバーとなった14歳の少年風見ハヤトが、「第10回サイバーフォーミュラ世界グランプリ」にチームの仲間達と挑戦してい過程を描きます。
TVシリーズのため、ストーリーの内容やレースの描写はシリーズとしてはやや子供向け。ただそれでもややアニメとしてはコアな部類なため当時の子供達には余りウケず、途中打ち切りが決まり当初想定していたより話数が減ったとのこと。
新世紀GPXサイバーフォーミュラ11(ダブルワン)
1992年~1993年に発売されたOVAシリーズ第1弾「新世紀GPXサイバーフォーミュラ11」。全6話。
15歳となり、「第11回サイバーフォーミュラ世界グランプリ」に再び参戦する風見ハヤト。ハヤトの前に再び立ち塞がった宿敵ナイト・シューマッハを加え、前年度より更に激しいライバル達とのタイトル争いが繰り広げられます。
サイバーフォーミュラ11から、マシンデザインは従来のGT形状からフォーミュラ形状が主流に。平均速度は500km/hオーバー、ブースト時は650km/hを超え、スペックも更に上がっています。
また本作品よりOVAシリーズとなった為、よりレース&ドラマともリアル路線の描写となり、フォーミュラレースを忠実に描いています。
「イナーシャルドリフト」と呼ばれるドリフト走行がフォーミュラレースに取り入れられているのも見もの。
新世紀GPXサイバーフォーミュラZERO
1994年~1995年に発売されたOVAシリーズ第2弾「新世紀GPXサイバーフォーミュラZERO」。全8話。突如、周りの動きが先読みできる「ZEROの領域」と呼ばれる知覚症状を発症した風見ハヤト。ハヤトに逆恨みを持つ新ドライバー「アンリ・クレイトー」や、再びサーキットに舞い戻ったかつてのライバル「ブリード加賀」との、ZEROの領域を駆使した白熱したタイトル争いが描かれます。
レースの熱さはシリーズでも随一であり、特に最終戦のタイムアタックやラストLapの描写・演出はすさまじいです。
新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA
1996年~1998年に発売されたOVAシリーズ第3弾「新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA」。全8話。”バイオコンピュータ”というアスラーダとはまた異なった進化を遂げたニューマシン「アルザード」が引き起こす、波乱や苦悩に満ちた「第15回サイバーフォーミュラ世界グランプリ」を描きます。
本作から、製作陣が一新され、ストーリーやキャラクターデザインのタッチがかなり変わります。熱いレースというよりは、レースとは何なのかに重点を当てた異色のシリーズです。
新世紀GPXサイバーフォーミュラSIN
1998年~2000年に発売されたOVAシリーズ第4弾「新世紀GPXサイバーフォーミュラSIN」。全5話。
19歳になり、サーキットの帝王とも呼ばるまでになった風見ハヤト。ZEROの領域を駆使し、誰も手の付けられない存在となった風見ハヤトに、最大のライバルとも言えるブリード加賀が、同じくZEROの領域と禁断のニューマシン「凰牙」を以って挑みます。
ブリード加賀が主人公とも呼べる作品で、ストーリー的にもこれまでのサイバーフォーミュラシリーズの総決算とも呼べる作品。レースシーンも多く、レースのスピード感や臨場感はシリーズ随一です。
サイバーフォーミュラの続編はどうなる!?
サイバーフォーミュラの続編については今現在は正式情報は出ていません。ただ、サイバーフォーミュラの続編は常に多くの方から要望が出ているらしく、近年はブルーレイやプラモデルフィギアなどの関連グッズも不自然なほど多数登場してきています。
ここまで月日が経っても人気があり、また正式にシリーズ終了もしていない作品なため、そろそろ続編が出てくる頃ではないでしょうか。
またサイバーフォミュラSINであれだけ激しい争いをしてしまったので、今後、続編が作られる場合は風見ハヤト以外のキャラが主人公の話か、あるいはTVシリーズのリメイクといった話になるのではないかと思います。流石にZEROの領域やリフティングターンを抑えられるほどの強敵登場というのは無理があるでしょう。今までのZEROの領域の脅威やブリード加賀の活躍はなんだったの?となってしまいますしね。
ともあれ、続編がどんな話であろうと製作されれば絶対に見ます。ぜひ作って貰える事を期待したいですね。もし続報がありましたら、至急情報を記載していきます。
なお非公式となってはいますが、サンライズインタラクティブが製作したPS2版レースゲーム「新世紀GPXサイバーフォーミュラ ROAD TO THE INFINITY 3」及び「新世紀GPXサイバーフォーミュラ ROAD TO THE INFINITY 4」では、サイバーフォーミュラSIN後の、第19回サイバーフォーミュラ世界グランプリが、新たなストーリー、マシン、キャラクターで描かれています。
・サイバーフォーミュラ ROAD TO THE INFINITY 3
・・サイバーフォーミュラ ROAD TO THE INFINITY 4
クロスアンジュという最近のアニメのパロディ回で、サイバーフォーミュラのオマージュシーンが描かれた様です。本編シリーズ以上にリアル!?再びサイバーフォーミュラブームがきてるのかもしれませんね。
↓アニメ「クロスアンジュ」16話のサイバーフォーミュラパロディシーン
↓前後を更に観たい方はニコニコ動画にアップされています。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm25420246
まとめ
いかがでしたでしょうか。サイバーフォーミュラは、車系のアニメとしても、また車系に限らずしても、個人的に最高といえるアニメ作品です。
車やレースが好きな人はもちろん、そうでない方でも熱い話が好きな人であればまず面白く感じる作品だと思いますので、ぜひ観た事のない方は、この機会に視聴してみてはいかがでしょうか。
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