SMAP香取慎吾が演じたドラマ版こち亀のスピンオフ映画作品「こちら葛飾区亀有公園前派出所-TheMovie-〜勝どき橋を封鎖せよ!〜」。
香取慎吾が演じた実写版”こち亀”は世間的には不人気でしたが、この映画は傑作でとても面白かったので感想レビューを書いていきます。
タイトル:こちら葛飾区亀有公園前派出所-TheMovie-〜勝どき橋を封鎖せよ!〜
監督:川村泰祐
配給:松竹
公開:2011年
主演:
香取慎吾
深田恭子
谷村章介
香里奈
速水もこみち
あらすじ
週間少年ジャンプで連載中の人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の実写映画作品。こち亀35周年記念作品。キャストは2009年にTBS系で放映されたドラマ版「こちら葛飾区亀有公園前派出所」と同様。
葛飾署に勤める問題児警官、両津勘吉(香取慎吾)は、ある日、小学校の幼なじみ、沢村桃子(深田恭子)と数十年ぶりに再会。シングルマザーとなりながら強く生きる桃子に両津は惹かれていく。
そんな中、警視庁長官の娘が誘拐犯に捕らわれる事件が発生。本庁の威信をかけた大規模な捜査線が引かれるが、誘拐されたのは警視庁長官の娘でなく実は桃子の娘であったと発覚し・・・。
『こちら葛飾区亀有公園前派出所-TheMovie-〜勝どき橋を封鎖せよ』の感想・評価レビュー
SMAP香取慎吾が演じたドラマ版「こち亀」、またこの映画版「こち亀」も、世間的にはイマイチ評価されず不発で終わったが、これは本当にいい映画だった。なぜ評価されないのかがイマイチわからない。
「こち亀」は主人公である両さんの破天荒なキャラクター、そして次から次へと進んでいくドタバタコメディがとにかく面白い作品だ。ただそこだけではく、たまに混じってくる人情話やノスタルジックな話もこち亀の大きな魅力の一つだ。漫画でも「お化け煙突が消えた日」、「勝どき橋開け!」など人情溢れたストーリーが時折繰り広げら、一部から高い人気を得ている。
この映画はまさに、そんなドダバタコメディと人情味溢れる感動ヒューマンドラマのイイとこ取りの様な作品だ。
シングルマザーで迷いながら生きる桃子、人生のレールを踏み外してしまったおっさんが起こす犯罪、警視庁長官の娘で無いと分かると捜査を辞める本庁捜査室など一見これはこち亀?と思うほど重々しい社会派なストーリーが展開される。
だが、そんな中両さんが”いつも通り”にドタバダコメディをやらかしてくれる。突っ走ってくれる。またこち亀ならではの人情話で笑いに笑顔に変えてくれる。
そのコントラストがとても心地よく素敵な映画だ。
こういった雰囲気というのは、『踊る大捜査線』でも『寅さん』でも出せないだろう。こち亀だから両さんだからできる唯一無二の世界観だ。そしてそれが存分に生かされた映画だった。テレビ局を買収しようとする中川、勝どき橋開けをオマージュしたラストシーンなども、ニヤリとする。
笑って、泣けて、アクションがあり、恋愛あり、人情ありのまさにエンターテーメントな映画。まさに”粋”という言葉が似合う映画だ。ただ本来ならこういった全部入りの様な映画はどこかにムラがでる。全部が共存する事はなかなか出来るものではない。にもかからず共存してしまっている。こち亀の凄さ改めて感じられる作品だ。
キャストについても、当時香取慎吾主演が叩かれていたが、個人的にはこの香取慎吾版両さんはぜんぜんアリだと思う。たしかに原作漫画の両さんと照らし合わせると少しイメージが違うが、それでもこち亀の良さを引き継ぎつつ上手く方向転換している感じがする。今回の初恋に纏わる恋愛話も香取慎吾版両さんであったから活きた部分もあったかと思う。
べた褒めになってしまったが、正直不満だった所が殆どない。深く高尚的に考えされられる作品ではないが、本当に笑って泣ける楽しい映画、娯楽映画らしい映画であった。こんな映画で泣けると言うと馬鹿にされそうだが、本当に感動してうるっときた。私はこれまで感動映画というのを沢山見てきたけれど、下手な感動大作映画より全然心に響いた。なぜなのだろうか。こち亀なのに。30代になって改めてみたらやけに感動した。歳を取った方が観ると余計に面白いかもしれない。
そんな、なかなか他とは一線を画す映画だった。「こち亀の映画なんて幼稚っぽくてみてられない」、「こち亀は漫画で十分」といった方にこそ観てもらいたい。先入観抜きで。
ドラマ「こち亀」の神回
香取慎吾版こち亀は、ドラマシリーズも同じように人情溢れる話が多く面白い。こちらもなぜか世間的には不評だが。
特に面白かったのが、ドラマこち亀の最終話(第8話)『さよなら両さん!!読者が選ぶ “泣ける” エピソード不動のNo.1 20年の時を越えて思い出の校庭で再会した2人の涙と友情と約束のタイムカプセル』。最終話として120分スペシャルで放映された回だ。
内容は漫画版でも人気回となっていた、警官になった両津勘吉(香取慎吾)とヤクザになった優等生な幼馴染村瀬賢治 (中村獅童) の友情ドラマ。
こちらもこち亀ならではの人情劇が展開する感動ドラマ。一見はよくある話かもしれないが、両さんのこち亀の雰囲気がコントラストになっていて感傷深い。
ラストの
「この小さな街のこっからみれる窓の向こうには一人一人の生活がある、みんないろんな事を抱えながらがんばって生ている、辛いことがあってもみんなその倍笑ってる、ここはそういう街だ。」
「どれだけ他人に裏切られても、もう昔の自分を裏切るな」
の台詞には何かグッさとくるものがあった。こち亀の魅力を活かしたすばらしい話だった。
まとめ
この様に、香取慎吾版こち亀は、いい意味で原作をかなり裏切った映画だ。
こち亀を読んだことのある人にもない人にもおすすめだ。
また、「前に一度観たけれど余り面白くなかった」という人も、時間を置いて改めて観てみると何か感じるものがあるかもしれない。
○この映画がおすすめなヒト
・エンターテイメント溢れる映画が観たい方
・真っ直ぐで粋な話の映画が観たい方
・素直に心から笑える映画が観たい方
・元気のでる映画が観たい方
・初恋の淡い思い出がある方
など
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