記事公開日:2018年6月17日

自動車

古いモノにこそ価値ある時代、旧車「国産スポーツカー」の中古価格上昇から考える

 

わたしはクルマ好きなんですが、ここ数年の中古車相場はあまりチェックしてませんでした。やっぱりクルマを買う機会がないとなかなか目が行き届きませんよね。

ただ、ちょっと最近異変を感じていまして。

古い旧車、特に「国産スポーツカー」の価格や価値が、以前にもまして高騰している気がするんですね。なんかおかしいと。

この辺の話を少し書いていきます。

 

 

1.近所で長年放置されていた粗大ゴミのようなフェアレディZ

すこし小話を。

うちの近所に、長年放置されていたフェアレディZがありました。型式は1989年~1993年に発売された「Z31型 3代目のフェアレディZ」。

画像は撮らせてもらえませんでしたので、wikiのものを。このタイプです。

ただ、近所にあったのはこんなピカピカな代物ではなく、もう粗大ゴミのようなオンボロ車両。近所のオーナーさんが自宅の庭にそのまま20年以上放置していたとのことで、ボディは錆びつき、タイヤは腐食、もう見るに堪えない姿でした。ちょっとかわいそうにも思えるほど。

いつになったら廃車にするのかな?と思ってましたが、なんと最近このクルマが売れたようです。

いくらで売れたと思いますか?

このZ31型は、一応は旧車としてプレミアはあるものの、「初代S30」などに比べるとそこまで人気が高いクルマではないんです。なので、よくて10万20万円の話だろうと思っていました。どこかのもの好きが買ったんだなと。

それが、なんと150万円で売れたそうです。買値で。

 

しかも自分から中古車店に売りに出向いたのではなく、業者側からお誘いが来たとのこと。相手は外国人のブローカーらしく、自分の足で目ぼしいクルマを日本中探していとのこと。たまたまこの放置されたZを見つけてオーナーさんに購入を求めてきたそうです。

 

ここまでする以上、相手は素人でなくガチのブローカーでしょう。
そんなブローカーが、この廃車寸前のZに150万円の価値をつけたわけです。これは、オーナーさんから聞いた紛れもない事実です。

 

そして、大手中古車サイト『グーネット https://www.goo-net.com/』でZ31をみてみると、現在250万円前後で相場推移しています。

 

こんな時代になってきました。

 

Zだけではない、50年~90年代の国産スポーツカーの価値が上がっている模様

これはZだけに限った話ではないようです。

古い日本車、特に50年代~90年代の国産スポーツカーの価値が現在上昇している模様です。

※以降は大手中古車サービス『グーネット』での市場価格を掲載)

日産・初代スカイライン GT-R(ハコスカGT-R)

1969年~1973年に販売されていた通称「ハコスカGT-R」。
名車と名高いモデルですが、既に中古で1000万円前後の価格となっています。

日産・初代フェアレディZ(S30、240Z)

1969年~1979年に販売されていた初代型Z。
フェアレディZの中でも特に人気の高いこのモデルは、すでに800万円オーバーに。

 

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トヨタ・初代スープラ

1986年~1993年に販売されていた国内では初代型となるスープラ。
200万円前後で推移しており、状態の良いものであれば300万円を超えるケースも。

ひと昔前は、お金の無いFR好きな若者ご用達の中古車でしたが、この手の車種はもう手の届かない存在に。

 

ホンダ・3代目シビック

1983年~1987年に販売されていた通称「ワンダーシビック」。
当時の若者に大ヒットとなったクルマで、数自体も多かったわけですが、そんなクルマでも、今は150万円前後の価格で販売されています。

 

 

日産・3代目ブルーバード(510型)

1967年 ~1972年に販売されていた3代目ブルーバード。
最も高額なケースでは、560万円というのをみつけました。
スポーツカーというよりファミリーカーですが、こういったモデルでも時が経てば化けるわけです。

 

 

 

なぜ、旧車の国産スポーツカーが値上がりしているのか?

国産スポーツカーの値上がりは、だいぶ以前から進んでいましたが、最近その流れが加速しているように感じます。価格が値上がりする理由は、需要>供給になるからです。これは確たる事実。

ではなぜ需要が増えているか?これは専門家ではないため私にはわかりません。

なので憶測レベルとなりますが、個人的にはインターネットの普及が背景にあるんではないかと思っています。ひと昔前よりも国産スポーツカーの魅力がインターネットを通じて海外に広まりやすくなりました。日本車をカスタムしている海外動画なども多数あり、国産スポーツのファンは今や全世界にいる時代です。
上で書いたように、海外から日本に直接買いに来るブローカーだっています。

海外では国産スポーツカーが一種の文化にもなりつつある↓

 

一方で、旧式の国産スポーツカーは同年代と外車スポーツカーと比べ生産数自体が少ない。かつ時の流れとともに廃車数が増えるため個体が減っていく。

こういったことで、需要⇔供給のバランスが崩壊し、値上がりが起きているのではないかと。

 

まとめ:古いものにこそ価値が見いだされる時代へ

テレビ、パソコン、カーナビなど、ひと昔前では高額だった製品が、いまでは手軽な価格で手に入る時代。身近な物が格安で手に入り、昔よりお金が浮く時代。

では、浮いたお金はどこに向かうか?

それが、古くてもう手に入らない物、手に入れたくても手にいれられない物、そんな目に見えない価値に向かうのじゃないかと思っています。

今回はクルマにスポットを当てましたが、これはクルマだけに限った話ではないかと。年代物の衣服や家具、希少性のあるゲームや本、そういった物が今後さらに価値となる時代になるかもしれません。

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