人類のロマン「タイムトラベル」。秋の夜長には、こういった奇想天外なジャンルも観たくなりますよね。
さて、タイムトラベルを題材にした映画は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などが有名ですが、この手の娯楽作品では満足できない方も多いかと。
そこで、SF系や考察系の映画を好む私が、ややマニア向けでストーリーの面白いタイムトラベル映画の名作を、いくつかピックアップしていきます。
※ネタバレはありませんが、話全体の流れの説明は入ります。
おすすめのタイムトラベル映画1.『プリデスティネーション』
2014年にオーストラリアで制作されたタイムトラベル映画『プリデスティネーション』。ロバート・A・ハインラインによる短編小説『輪廻の蛇(英語版)』を題材に映画化した作品です。
この映画は、タイムパラドックス、特に「親殺しのパラドックス」に焦点を充てた作品。タイムトラベルには、親を殺したら自分は誕生しないのジレンマがあるわけですが、この輪廻の部分を興味深く描いています。
CGなどを駆使した派手な作品ではないため序盤はやや眠くなりますが、急転する中盤そしてラストの結末は考えさせられます。これまでに無いタイムパラドックスの描き方であり、「もしこういった事が起きたらどうなるんだ?」、「こういうことはあり得るのか?」と観終わった後にあーだこーだ空想でき、不思議な気分にさせられる映画です。上の予告編もいい意味で予告編詐欺。
特にタイムトラベルの”矛盾”に関心がある方には、かなり見ごたえがあるかと。
おすすめのタイムトラベル映画2.『バタフライ・エフェクト』
知る人ぞ知るタイムトラベル映画の名作『バタフライ・エフェクト』。2005年に制作されたアメリカ映画です。
こちらは、「バタフライ効果」(蝶が羽ばたく際に出る僅かな風が、連鎖しいずれ遠くの地でハリケーンになるといった考え方)を題材にした作品です。タイムトラベルで起こるちょっとした綻びが、いずれの世界に影響を及ぼす経緯を描いています。
製作費が10憶円程度の作品のため、壮大なスケールの話ではなく、小さな人間関係の中で起こるバタフライ効果を描いています。
しかしストーリーは入念に練られており複雑ながら見ごたえ十分の作品。シナリオだけでこうも面白くなるのかと。青春映画的な側面もあるのも良いですね。
ストーリーが濃く複雑なタイムトラベル映画を観たい方に特におすすめ。
おすすめのタイムトラベル映画3.『タイムマシン(2002年)』
原作は超有名ですが、この2002年版は観てない方も多いかと思いますので、ピックアップします。
タイムトラベル小説の金字塔H.G.ウェルズ著『タイム・マシン』を原作とし、一部内容をアレンジした実写映画です。1959年に制作された名作映画『タイム・マシン 80万年後の世界へ』のリメイク版にもあたる作品。
原作が古いこともありストーリーはそこまで目新しいものではないのですが、タイムマシンというネタを、分かり易くかつ面白く膨らませており、外に広がっていく感じが純粋に楽しかったです。
本作は前半がヒューマンドラマ色が強く、そこから様変わりする後半の展開で「ぽーかん」となってしまいネットなどでやや酷評されてます。ですが下手に誘導されず純粋に娯楽作品として見れば、なかなかに面白い2時間が過ごせる映画かと。個人的には、むしろそのぶっとんだ展開が印象に残り面白かったです。
壮大な時間旅行で少し現実逃避したい人に、特におすすめです。
おすすめのタイムトラベル映画4.『インターステラー』
2014年に公開されたSF大作『インターステラー』。
監督は『インセプション』や『トランセンデンス』など曲者系のSF映画も手掛け、人気急上昇中のクリストファー・ノーラン。
「インターステラー」とは、”星間航行”を指しますが、宇宙航海の話というよりはタイムトラベルに近い話。ワームホール・特異点・相対性理論などタイムトラベルに関わる要素をかなり専門的に取り入れた作品であり、またその手の本来は映像化し難い部分を、視覚的に見事に再現した作品でもあります。
私はその手の分野の専門家ではないため、ちょっと分からない所も多かったのですが、量子力学や物理学などをかじった方にはより興味深い作品なのではないかと。考察する楽しみもありますね。
また娯楽として普通に観ても面白い作品であり、終盤では久しぶりに映画で涙してしまいました。SF映画なのに。
パッケージ画像やタイトルで損している感じがありますが、中身はかなりの名作です。
おすすめのタイムトラベル映画5.『ドラえもん 新・のび太の日本誕生 』
最後何をあげようか迷いましたが、マニアックなタイムトラベル映画と題しましたので、変化球枠として『ドラえもん』を。
ドラえもんは子供向けではありますが、タイムトラベルについてはかなり本質的で面白い描き方をしています。特に劇場版のドラえもんでは下手な実写映画に負けないほど、ストーリーが良く練られています。
その一つが今回紹介する『ドラえもん 新・のび太の日本誕生 』。2016年制作された第36作目にあたるドラえもん映画です。なお本作は1989年公開『ドラえもん のび太の日本誕生(旧) 』のリメイクに当たる作品でもあります。
現実の生活に嫌気したのび太たちが、7万年前の日本に戻り生活していく話ですが、ドラえもんならではの切り口で、タイムトラベルのロマンやミステリー、危険性のようなものが描かれています。意表を突かれた面白さが。
新声優陣のドラえもんは世代的にかなり抵抗があるのですが、それでもこの新日本誕生は面白く見れました。ちょっとくどい演出も増えましたがドラマ性が強くなっており、旧日本誕生より全体的な出来はいいのかなと。不覚にもちょっと感動もさせられました。ドラえもんなのに。
これで声優陣が昔のままで、エンディングの曲が旧日本誕生のものであれば完璧だったかと。
旧日本誕生のエンディングで使われた『時の旅人(歌:西田敏行)』。”時”について歌った、ドラえもんらしからぬ素晴らしい曲。
まとめ
タイムトラベルは題材自体は面白いのですが、題材負けして、意外と中途半端な出来になっている作品も結構あります。
今回ご紹介した作品は、方向性は作品それぞれで違いますが、タイムトラベルを上手く調理した作品だと思いますので、ぜひ興味を持った方は観てみて下さい。
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